【税とビジネス】タックスリターンの経費を別の角度から見てみよう

タックスリターンの経費を別の角度から見てみよう

経費というのは「課税(税金が掛かる)収入にぶつける」が原則です。経費というのは「これはOK」「これはダメ」というものもあるのですが、多くは原則グレーです。つまり白か黒だけではありません。

何が経費となるかよりも、どのような状況、何のためにという大義名分が大きな要素となります。これは大義名分によって課税収入のためであるか、ないかを考える必要があるからです。これに加え、大義名分の強さが重要となります。

ちなみに、税法には「~は経費計上可」「~は経費計上不可」とは一切記載されておりません。過去の判例やATOのガイドライン、税法の意味を理解して適用するのです。

オーストラリアの税法の根底にあるスタンスは、「生活に最低限必要な衣食住に関わるものは経費計上できない」です。例えば、服や靴、食事、娯楽、家賃、普通自動車免許、通勤などです。ただし、これも何のために、どのような状況でという大義名分で変わります。

何のため

例えば、文房具は「子どもの学校のため」となると経費計上できません。収入とは関係ないからです。しかし、「仕事のため」だと経費計上できます。携帯電話は「友人とチャットをするため」では計上できませんが、「仕事のため」であれば経費計上できます。

これらは収入を得ることとは直接関係ない、という解釈です。仕事中の運転のスピード違反が経費計上できないのは、スピード違反の支払い自体は直接仕事とは関係ないからです。

どのような状況

例えば、仕事に直結する学費は経費計上できます。しかし、現在の仕事に関するものは経費計上できますが、何か新しい仕事に就くため、という学費は経費計上できません。食事は宿泊を伴う出張中のものは経費計上可、日帰りは経費計上不可、車や交通費は通勤以外なら経費計上可で、通勤のためなら経費計上不可、などです。

皆さんの中には仕事のためなのに経費計上できないのはなぜだろう、と思う人もいるかもしれません。これは上記の「何のため」「どのような状況か」を考えた際、課税収入に対する関連性が弱いからです。仕事用の服が経費計上できないのは、仕事用という大義名分より衣類という衣食住に伴う要素が強く、出張が監査になりやすいのは、会社が出張指示しているわけでもないのに、自分が出張だと言い張るのは大義名分が弱いからです。

逆に有名な例では、フライト・アテンダントだけは極度の乾燥環境の下で仕事をしているため、乾燥を防ぐ化粧水が経費計上でき、また女優は化粧品が経費計上できるというのは大義名分が強いからです。


賀谷祥平
競馬騎手、Ezy Tax Solutions Pty Ltd代表取締役。豪州公認会計士、米国公認会計士、登録税理士。James Cook University MBA、University of New England会計学修士、上智大学経済学部卒。2001年上智大学在学中に、騎手を志し豪州の競馬学校に入学。03年、NSW州Coffs Harbour競馬場にて騎手デビュー。現在はNorth QLDで騎乗している。
Web: www.facebook.com/shoheikaya

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