2050年までにアジア太平洋地域のリーダーとして位置づける

税務&会計Review

 

税務&会計 REVIEW

インフラストラクチャー:
2050年までにオーストラリアを
アジア太平洋地域のリーダーとして位置づける

EY パートナー
ジャパン・ビジネス・サービス
菊井隆正

今年で7年目となる出版物「インフラストラクチャー」は、アーバン・ランド・インスティチュート(Urban Land Institute)とEYが共同で毎年発行しているリポートです。本レポートは、インフラ業界における世界の主な動向や政策と課題について、徹底的なリサーチと世界一流の専門家とのインタビューに基づいて検証した結果をまとめたものです。今月号では、そのレポートの一部をご紹介します。

オーストラリアが2050年までにアジア太平洋地域のリーダーとして位置づけていく過程で、資金提供者や建設請負業者、そのほか民間企業にどのような機会が開かれるのでしょうか?

現状:アジア太平洋地域の政府と民間企業の協力が必要

中国やインドのように急速に都市化されたアジア太平洋地域の国々では、交通インフラは引き続き優先されています。しかし、本リポートはエネルギーや水、廃棄物管理システムにも、もっと重点を置かなければならないと考えています。

多くのアジア諸国は、中国のペースに合わせて世界の中でも最先端で統合されたシステムをいくつか構築し、インフラ開発の優先順位を高く設定しています。東京から北京、ソウル、そしてシンガポール、効率的な新国際空港のターミナルが首都圏の商業地域行きの高速鉄道と接続し、最新式の公共交通機関が近郊の住宅地へとリンクしています。インフラ改革の分野での長年にわたるリーダーである日本は、2011年の地震と津波で打撃を受けた地域の建て直しのため、莫大な国債をさらに増やすことによって景気刺激策を講じ、不振にあえぐ経済の活性化を目論んでいます。

「 中国やインドのように急速に都市化している国々は当然のことながら、交通システムのインフラ費用に重点を置いており、国内や経済の双方における貿易活動の活性化を可能としています。(中略)しかしながら、発展し続ける中で都市全体が経済成長のスピードについて行けるようにエネルギー、水、廃棄、そして社会インフラにより一層重点を置く必要があります」

ULI North Asia会長兼Hong KongLand Limitedエグゼクティブ・ディレクター
レイモンド・チョウ

「もっと革新的で効果的な建設や資金調達方法、また既存のインフラを改善するために政府と民間企業が協力していく機会は明らかに存在します。インフラとは、都市やコミュニティーを成長させ、繁盛できる基盤です。私たちの経済がGDP成長の見通しと社会的平等を達成するためには、アジア太平洋地域で成功させるための方法を見つけ出さなければならなりません」

EYグローバル・インフラ・リーダー
ビル・バンクス

アジア太平洋地域のリーダーとして

50年までにオーストラリアをアジア地域のリーダーとして位置づけるための野心的と言える経済や生産性に関する成長目標は、連邦政府の主要インフラ・アドバイザリー機関である「インフラストラクチャー・オーストラリア(Infrastructure Australia、IA)」によって最近設定されました。インフラストラクチャー・オーストラリアは高い賃金や建設費が重要なインフラを築く際の壁となっていると指摘しました。インフラストラクチャー・オーストラリアによれば、オーストラリアのプロジェクト費用はアメリカのプロジェクト費用より40%以上も高く、労働量が30〜35%増しです。オーストラリアはその生産性と経済成長率を過去最高に戻すために、生産性で年間2%以上、また経済成長率で3%以上の増加を目指す必要があります。

政府は、目標達成に向けてインフラ・サービスの提供を民間受託とすること、新規プロジェクトのため政府の資産を売却することにより「キャピタルをリサイクルする」「道路利用料金制のような受益者負担のモデルを導入する」など、政策の方針転換をしていく必要があるでしょう。

「オーストラリアは、公共と民間部門が協力し合ってインフラ活動を行っていることからグローバル・リーダーとして見られています。これは、投資を増やす新しい方法を開拓していく行程で民間部門を連れ立つのに、オーストラリア全域の政府にとって素晴らしい機会となります。したがって、これはIAが設定した生産性の目標に向かい大いに貢献していると言えます」

EYオセアニア・インフラ・リーダー
ディビット・ラロッカ

投資家や企業にとっての機会

オーストラリアとニュージーランドのインフラ関係の民間企業の機会は多く、将来は成長が期待されます。民間企業が積極的に関与していかなければ公共部門はインフラの要件を満たすことができません。従来より政府が所有し営んできたインフラ、例えば病院や鉄道においては、今後ますます民間企業がそのサービスを請け負うことになるでしょう。

グリーン・フィールドのインフラ分野は、建設請負業者、オペレーター、資金提供者や投資家にとって多くの機会があります。ブラウン・フィールドの場合、民間企業には政府が持つインフラ設備の所有や運営をする機会が与えられるでしょう。

「連邦と州レベルの政府が共に手を取り合ってインフラを推進しているのが見受けられます。彼らは投資を増加していく必要性を感じており、民間企業の協力を仰ぐことを検討しています。そして、従来は政府が営んでいたインフラ資産を民間企業が運営できるような革新的な方法を模索しています。このような状況の中、民間企業はいまだかつてない機会を与えられていると言えます」

EYオセアニア・インフラ・リーダー
ディビット・ラロッカ

貴社への質問

・貴社は、これらの機会をつかむ準備ができていますか。
・貴社は成功率を最大限に引き上げるために、政府や民間企業のパートナーとの関係性を築きましたか?
・貴社が穴埋めできるような、インフラ分野または地勢上で欠陥はありますか。
・アジア太平洋地域における貴社のインフラ戦略はどのようなものですか?

 

※本レポートのグローバル版はey.comのサイト内からご覧いただけます。
※アーバン・ランド・インスティチュートとは非営利の教育研究機関です
※この記事は出版時の時点で適用される一般的な情報を掲載しており、アドバイスを目的としたものではありません。この情報を基に行動をされる際には、専門家のアドバイスを受けることをお勧めいたします。

コンタクト:

菊井隆正(ナショナル)
(02)9248-5986
Email: takamasa.kikui@au.ey.com

 

鈴木大介(ナショナル)
Tel: (02)9276-9083
Email: daisuke.suzuki@au.ey.com

 

裕子カーンズ(シドニー)
Tel: (02)9248-5518
Email: yuko.kearns@au.ey.com

加藤雅子(メルボルン)
(03)9655-2766
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荒川尚子(ブリスベン)
(07)3011-3189
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井上恵章(パース)
(08)9217-1296
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