ホッキー前財務相、最後のスピーチ

与野党議員、スタンディング・オベーションで見送り


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 9月の与党自由党内のクーデターで、トニー・アボット前首相とともに閣僚を辞任したジョー・ホッキー前財務相(50)が21日、議員辞職を正式に発表した。ホッキー氏は同日、連邦議会で最後のスピーチを行った。公共放送ABC(電子版)が報じた。

 ホッキー氏は25分間のスピーチの中で「(議員を辞職する者は)尊厳を持って去るために懸命に働かなくてはいけない」と述べ、19年間にわたる議員生活を振り返った。2年足らずの短命に終わったアボット政権については、政策は良かったものの「政治に苦しんだ」と指摘した。

 今後の財政政策については「財サービス税(GST=消費税)の税率を引き上げ、徴税範囲を広げる一方で、所得税率を引き下げる必要がある」と語り、個人や企業がよりリスクを取ることを促すべきだと主張した。住宅については、「既存の不動産への投機よりも、住宅の新規供給を促進する」税制にする必要性を訴えた。

 スピーチを終えたホッキー氏に対し、マルコム・ターンブル首相は「過去20年近くにわたって(国家に)多大に貢献した」と称え、与野党議員全員がスタンディング・オベーションで見送った。



駐米オーストラリア大使に転身へ


 ホッキー氏は1996年の選挙でノース・シドニー選挙区から連邦下院議員に初当選。ハワード政権で金融サービス相や労使関係相などを歴任して頭角を現した。野党時代の2009年に行われた自由党党首選では、当時党首だったターンブル氏、アボット氏、ホッキー氏の三つどもえの戦いとなった。ホッキー氏は1回目の投票で敗れたものの、将来の首相候補の1人と目されるようになった。

 13年に発足したアボット政権では「ナンバー2」の財務相に就任したが、14年の予算案で打ち出した緊縮策が与党支持率の低迷を招き、先の首相交代劇につながった。燃料税増税に絡んで「貧乏人は長距離運転しない」と述べるなど、失言も痛手となった。ターンブル内閣ではアボット氏とともに閣外に退き、近く政界を引退すると表明していた。

 引退後は、年内に任期切れとなるキム・ビーズリー駐米オーストラリア大使(元野党労働党党首)の後任として、ワシントンに赴任する公算が高まっている。このため、駐米大使は「首相になれなかった政治家の引退後のポジション」と揶揄されている。

 なお、ホッキー氏の議員辞職に伴うノース・シドニー選挙区の補選は年内に実施される。


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