南シナ海安保、米国と連携−豪国防相

作戦参加すれば豪中関係の悪化は必至


 米海軍のイージス駆逐艦が27日、中国が領有権を主張する南シナ海の人工島から12カイリの「領海」に入ったことについて、オーストラリアのマリース・ペイン国防相は声明を発表した。現時点でオーストラリアは南シナ海での米国の作戦に関与していないものの、同相は「平和と安全の維持はオーストラリアにとって正当な国益であり、国際法と南シナ海での自由な貿易、(船舶の)航行、(航空機の)飛行を尊重する。海洋安全保障をめぐって米国と地域のパートナーとともに引き続き緊密に連携していく」と言明した。

 また、公共放送ABCの同日の報道によると、米国の有力な同盟国オーストラリアに作戦参加を求める声が高まるとの指摘が出ている。オーストラリアのシンクタンク、ロウリー研究所の国防専門家であるユーアン・グレイム氏は同放送に「人工島周辺の米国の作戦行動について、同盟国は参加を要請される可能性がある」と述べた。オーストラリア国立大(ANU)のレスゼック・バシンスキー教授は「米国側に関与するようオーストラリアに圧力が高まるだろう」と語った。

 南シナ海の安全保障はオーストラリア経済にとって死活問題だ。ペイン国防相によると、オーストラリアの輸出額の約60%が南シナ海を経由している。オーストラリアは英国などとともに米国の有力な同盟国の1つ。近年もイラクやアフガニスタン、自称イスラム国(IS)に対するイラク・シリアの空爆に参加するなど、安保面では米国と一体となって行動してきた。

 しかし、オーストラリアが米国と連携して人工島の12カイリ内に艦艇を派遣することになれば、中国との関係にヒビが入ることは避けられない。中国はオーストラリアにとって最大の輸出相手国で、資源を中心に貿易依存度が高い。正式に米国から作戦参加を求められることになれば、オーストラリアは苦しい選択を迫られることになりそうだ。

 12カイリは国際法で認められた領海だが、米国は中国の人工島領有を認めていない。中国が強硬姿勢を崩さないため、南シナ海で哨戒行動に踏み切った。南シナ海では、年間5兆ドル以上とされる莫大な海上貿易が往来しているという。


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