「資源国で燃料備蓄が危機的状況」のなぜ?

日本からの石油製品輸入は25億ドル以上に拡大

 連邦政府がエネルギー安保政策の見直しに乗り出した背景には、豪州は世界有数の資源産出国であるにもかかわらず、ガソリンや軽油などの液体燃料の輸入依存度が急速に高まっていることがある。

 豪州の石油製品の備蓄日数はガソリンが20日、航空機用燃料が19日、軽油が21日(シドニー・モーニング・ヘラルド紙)にとどまる。数字を単純に比較することはできないが、日本の石油備蓄日数は、国家備蓄と民間備蓄の合計で219日分(2018年4月=資源エネルギー庁)とIEAの基準である90日間を大幅に上回る。

 豪州産原油は資源量の縮小を背景に減産に転じた。高コストを背景に国内で精油所の閉鎖が相次ぎ、海外で精製した製品を輸入する動きも強まった。北西部沖の大陸棚で生産が本格化している液化天然ガス(LNG)もほぼ全量が海外向けだ。

 国内での石油精製を縮小する一方、豪州は日本などアジアを中心に石油精製品の輸入を増やした。豪州は2016/17年度、日本から25億2,100万ドル(連邦外務貿易省)の石油精製品を輸入した。日本からの輸入品目としては、1位の乗用車(74億4,700万ドル)、2位の金(25億8,700万ドル)に次いで3番目に多い。資源に恵まれた豪州が大量の石油精製品を日本から輸入している現状は、資源に恵まれない日本から見ると意外な印象だ。

 資源輸出や経済効率を優先した結果、豪国内のエネルギー安全保障が脅かされた形と言えそうだ。

■ソース
Declining fuel reserves prompts Turnbull government security review(シドニー・モーニング・ヘラルド紙)

石油備蓄の現況(資源エネルギー庁)

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