小野伸二、有終の美でWSWを8強に導く──ACLラウンド16 サンフレッチェ広島戦

ゴール前で競り合う小野(WSW)と青山(広島)(撮影:馬場一哉、以下同)

ゴール前で競り合う小野(WSW)と青山(広島)(撮影:馬場一哉、以下同)



 14日、小野伸二のウェスタン・シドニー・ワンダラーズ(WSW)は、ホームでACLのラウンド16のサンフレッチェ広島戦に2-0で勝利。ホーム&アウェーの2戦合計(アウェーの試合は1-3)で3-3と並ぶも、アウェーゴールを決めているWSWが広島を破り、8強に駒を進めた。

 先週7日、広島で行われたアウェーでは、直前のブリスベンでのグランド・ファイナルから中2日の遠征で、FWトミ・ユリッチが何とかPKで一矢を報いるのがやっとで1-3と良いところなく敗れたWSW。

 しかし、この日のWSWは、先の試合とは打って変わって見違えるような動きを見せた。ようやく過密日程から解放され、1週間じっくり調整して試合に臨めたことに加え、この日のWSWには「小野に有終の美を飾らせたい」という高いモチベーションがあった。

 ベスト8に勝ち進むには、2-0で勝つことが最低条件。さらに、相手に1点を取られれば、相手を上回るには4点を取る必要が出てくるだけに、無理に点を取りに行くリスクも踏めない。そういう難しい状況下でも、小野が攻撃のタクトを振るうWSWは積極果敢に勝ちに行く。積極的にゴールを狙う姿勢で、次第にJリーグ王者の広島を押し込むシーンも多く見られるようになる。

 そして迎えた55分。小野が右サイドのラインぎりぎりで粘って上げたボールを前線のハリチが相手DFと競り合いながらも落とす。そこにかけこんだ交代出場のシャノン・コールが、右足を思い切りよく振りぬいたボールが広島ゴールに突き刺さり、WSW先制。

先制点にガッツポーズをする小野

先制点に飛び上がってガッツポーズをする小野


 勝ち抜けには、どうしても2点目が必要なWSWは攻め手を緩めない。幾つかの惜しいチャンスを逃すうちに試合の残り時間は5分を切ろうかというところまで進んだ。

 そこで起死回生の一発を叩きこんだのは、FWブレンダン・サンタラブ。前線でユリッチが競ったルーズボールを見逃さずに振りぬいたボールは広島ゴールに吸い込まれる。このゴールの時点で、2戦合計スコアは3-3、アウェーゴールの差でWSWがこの対戦で初めて優位に立った。ここから残り5分とロスタイム5分と広島の必死の反撃を受けながらの時間との戦いが続くも、最終的にはWSWは2-0で勝利のホイッスルを聞いた。

 先の試合でのユリッチのPKでの1点が、結果的に非常に大きなアドバンテージとなって戻ってきたWSWだが、この試合に関しては内容的にもJリーグ王者を圧倒しての文句なしの勝利。堂々のACLベスト8進出を決めた。

 この日、誰もが認めるマン・オブ・ザ・マッチの活躍でフル出場の小野は、試合後には満面の笑みでチームメイトと喜びを分かち合った。小野は、この試合でWSWでの全日程を終え、日本へ帰国。6月から移籍先のJ2札幌に合流、J2の舞台での新たなタスクに挑むことになる。

試合後、勝利を喜ぶサポーターの前で

試合後、勝利を喜ぶサポーターの前で


 WSWは、8月20日、27日にホーム&アウェーで戦うACLベスト8に進出。現時点では、対戦相手は未定となっている。

 先日の発表で日本代表入りを決めた対戦相手の青山敏弘選手は試合後に「小さい差だと思いますが、今回は相手の気迫に勝てなかったことが敗因ですね。前半は良い動きをできていたと思うのですが、後半チーム全体の足が止まっていた。個々の動きをあげてチーム全体が良い雰囲気に流れるようにしなければいけないですね」と話した。

 また、小野との対戦について問われると「小野選手は自身がすべきことをきちんと分かっている。彼のような選手が1人いれば、チームがいい雰囲気に流れると思いますね。自分たちも成長しなくてはいけないなと改めて思いました」と語った。

試合後インタビューに応じる青山。来るW杯での活躍に期待したい

試合後インタビューに応じる青山。来るW杯での活躍に期待したい


試合後、2年間を嚙み締めるようにゆっくりとスタジアムを歩く

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