アボット政権財政赤字1000億ドルにも

法案不成立や撤回続きで公約破棄

 連邦の独立官庁、Parliamentary Budget Office(PBO)の評定によると、トニー・アボット保守連合連邦政権の予算法案の数々が議会上院の野党労働党、緑の党に加え、諸派無所属議員の反対で不成立になり、あるいはアボット政権が法案を取り下げるなどしており、アボット首相の約束と異なり、今後2026年度までに国の財政赤字は1,000億ドルを超える見込みとなった。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 アボット政権の2014年の主要な財政節約予算法案が、「貧者に厳しく、富者に甘い不公平税制」として、ほぼ全野党の反対を受けて膠着状態になっており、その上に頼みの綱の地下資源も鉱山税を廃止した上に開発段階が終わり、操業段階に入って地下資源価格が下がっている。高額所得女性を優遇する有給産児休暇法案廃案は財政節約になったが、一方、福祉削減や高等教育改革など2014年予算案に盛り込まれていた法案はついに捕らぬ狸の皮算用になっている。

 ジョー・ホッキー財相が、「来年度は予想以上に小さい財政赤字」としていた351億ドル赤字も甘い見通しとなった。地下資源からの税収に加えて、景気後退が予想される中、法人税、個人所得税も減収が見込まれており、すでにホッキー赤字予想は2週間で383億ドルに膨れあがっている。また、来年の赤字は258億ドルから306億ドルに膨れあがると見込まれている。

 また、FTB(パートB)の改定で打ち切り年齢を16歳から6歳に引き下げる福祉削減法案も「低所得者いじめ」として上院ではほぼ全野党一致で反対しており、今後10年間で172億ドルの財政節約が消えることになる。また、ホッキー財相が、「貧乏人は車に乗らないから影響はない」と発言し、「貧乏人が仕事に行くのには車を使うしかないことを知らないのか?」と批判を受けた自動車燃料税のインフレ連動制も上院で阻止された。

 PBOの推定では今後10年で財政赤字は1009億ドルに膨れあがる見込みで、保守連合は、「財政赤字は野党の責任」として、マシアス・コーマン予算相は、「PBOの報告は、通過し残している予算法案を迅速に上院で可決しなければならないことを示している」としている。一方、クリス・ボウエン影の財相は、「財政黒字を公約した保守連合の信用も1000億ドルの砂上の楼閣同様」と語っている。
■ソース
Deficit decade: Tony Abbott’s $100 billion black hole

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