先住民族美術界売れ行き低迷

市場の衰退で作品だぶつき気味に

 オーストラリア先住民族アボリジニの美術市場が急激に衰退しており、作品が供給過剰になる一方で、美術作品への投資意欲が失われてきていることが報じられた。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 アボリジニ美術は2007年に2,600万ドルを売り上げたが、その直後、1年で売り上げが半減し、市場そのものが衰退の一途をたどっている。

 政府が出資し、アボリジニが経営するジェラルドトンのヤマジ・アーツ・センターの役員でヤマジの美術家の一人でもあるチャーメイン・グリーン氏は、「影響は甚大だ。国内国外双方の客足が途絶え、作品も売れない。どうやって生き延びるかを考えるばかりだ。国内各地のアボリジニ・アート・センターの会計監査を手がけているブライアン・タッカー氏は、「景気の良かった時期の蓄えもそれ以来の衰退でどんどん食われている。原因はいくつかあって、まず、2008年の世界金融危機、次いで2011年にスーパーアニュエーションの見直しがあり、スーパー資金で美術作品を購入した場合には展示すると購入の目的が違うとされ、スーパーアニュエーションの投資目的では展示せずに裏に保管しなければならないことになった。その結果、アボリジニ美術作品の価値が大幅に減少すると見て取った投資家が作品を放出したため、WA州では2年間に7つの画廊がつぶれたと言われている。

 それでも、WA州のアボリジナル・アーツ・ハブのクリスティン・スコッギンCEOは、アーツ・センターと商業的画廊は共存することができると語っており、「アーチストが作品をつくり続けていく時、すべてが傑作というわけではないが、それでも収入がなければ続けられない。アーツ・センターはそういう作品を廉価で販売する格好の場所になっている。双方が力を合わせて先住民族美術界を再度盛り上げるべき時だ。値段が下がっている今こそ作品の買い時だ」と語っている。
■ソース
Indigenous art sector wrestles with downturn: ‘Perfect storm’ blamed for waning market

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