UGGブーツ・メーカー、アメリカの大企業相手に商標戦争

米企業が”UGG Australia”の名称商標登録と訴訟

 オーストラリアのブランドを背負った商品、「UGG Boots」が、アメリカの国際的履き物会社に商標登録されており、その米企業が登録商標を盾に取って、オーストラリアの「UGG Boots」をオーストラリア国外の市場から締め出そうとしているとして、オーストラリアの「UGG Boots」メーカーは、「アメリカ企業は、商標名にAustraliaと入れているが、製品にはしっかりと中国製のタグが付いており、オーストラリアの物は何もない」として、大手企業を相手に一歩も引かない構えを明らかにしている。「UGG Boots」にはニック・ゼノフォン連邦上院議員が支持宣言し、「政府はオーストラリア企業を守る責任がある」と、政府の態度を問いただしている。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 UGG Bootsを製造しているのはシドニー所在のAustralian Leather社で、1990年代初めからUGG Bootsの名称でオーストラリア産シープスキンを使って年間約5万足を生産している。

 これに対して、アメリカのDeckers Corporationが、「UGG」の名称をオーストラリア国外で使うことを禁止する訴訟をアメリカ国内で起こしている。

 Australian Leather社の創始者で社主のエディー・オイガー氏は、「Dockersに比べれば、当社はちっぽけなものだ。アメリカの企業は過去にオーストラリアの小製造業をいくつも潰してきた。しかし、ちゃんと法律的保護手段があれば、オーストラリアのUGGブーツメーカーは何百人もの人を雇い、何千万ドルもの外貨を稼ぐことができるのに」と語っている。

 オーストラリアでは底の平らなシープスキンのブーツはオーストラリア独特の履き物で、「ugg boots」もこのスタイルを表す普通名詞と考えられており、複数の製造業者が使っている。

 しかし、1970年代にカリフォルニア州在住のオーストラリア人が開発したUGG Bootsの商標はいくつもの企業を渡り歩き、年商24億ドルのDeckers Corporationが、1990年代後半に「UGG Australia」を商標として登録している。現在、この登録商標はアメリカ、中国、EUなど130か国以上で効力を持っており、オーストラリアの企業は製品を「UGG」の名称でこれらの国に輸出することができない。

 ゼノフォン議員と記者会見したオイガー氏は、「Deckersの製品はUGG Australiaと入っているが、タグには中国製と明記してある」と語っている。

 Deckers社は、Australian Leather社が在庫しているUGG BootsをすべてアメリカのDeckers社に送り、Deckers社がこれを廃棄処分する、また、Australian Leather社の資金をすべてDeckers社の口座に移すとともに経済的損害を補償すべしとの要求を裁判所に起こしている。

 ゼノフォン議員は、「これは商標法の乱用だ。また法律を使ったイジメだ。24億ドルの企業が小企業を相手にこういうことをしているのだ。オーストラリアは、UGGの名称を保護する法律を制定すべきだ。政治家はオーストラリアの雇用を支援すると言うが、実践してもらいたい。これはフランスがシャンペンという名称を法律で保護しているのと同じことだ」と語っている。

 競争消費者問題弁護士のマイケル・テルチェイロ氏は「Deckers社が裁判に勝つとオーストラリアのあらゆる商品が海外の商品棚から消える可能性がある。豪競争消費者委員会(ACCC)は、この問題を調査した方がいい。Deckers社はオーストラリアの消費者法に違反している可能性がある」と語っている。
■ソース
Australian ugg boot manufacturers fighting to use the word ‘ugg’

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