国内高層ビルの外装は危険な可燃性建材

供給業者も危険を知りつつ販売

 ロンドンのグレンフェル・タワー高層アパート火災で可燃性の外装材が縦の延焼を引き起こし、多数の死者を出した事件で、イギリスでは禁止されていた材質の外装材が違法に用いられていたことを重大視したオーストラリアの各州政府も高層ビルの建材の監査を始めていた。

 その結果、グレンフェル・タワー火災よりも10年前に、アルミ混成外装材を供給していたオーストラリアの供給業者は、その外装材のコアに用いられているポリエチレン(PE)が非常に可燃性の高い材料であることを知っていたことが明らかになった。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 ヨーロッパやアメリカで耐火性外装材が一般に入手可能であったにもかかわらず、オーストラリアでは2013年までより安価なPEコアの外装材が中高層建物に用いられていた。

 ABC放送の時事番組「Four Corners」の調査により、海外のメーカーや国内供給業者は、PEコアの外装材を高層建物に用いるリスクを熟知していたにもかかわらず、オーストラリアの建築基準が緩く、しかも曖昧であることを利用してずっと輸入を続けていたことが明らかにされている。

 オーストラリアではこれまで建築ブームが続いてきたが、そのために致命的な建材を巻き付けた建物がブームの遺産として残されている。

 しかも、それがどれほどの数にのぼるのかは分からず、NSW州の暫定監査だけでも1,011棟のビルが精密調査対象に挙げられており、改修するだけでも何百万ドルもかかる危険なアパートに住んでいる世帯は何千にものぼるとみられている。

 アルミ混成建材(ACM)は、1970年代後半から輸入されるようになり、品種の多さ、軽さ、モダンな外見などから瞬く間に普及し、2000年代前半に入ると都市部各所のアパートに用いられた他、公共建物にも用いられてきた。また、各州とも建築物の検査を政府機関から民営化し、カウンシルが建築後の建物の検査を行うのではなく、建築業者お抱えの建築認定士が認定する制度に変わってきた。そのため、「建築業者と建築認定士と消防設備士がいずれもコスト削減の動機を持っており」、利害の抵触があるとする声もある。

 また、消防局も、可燃性の外装材で消防活動にも大きな負担がかけられているとしている。
■ソース
Australian high-rises swathed in flammable cladding despite suppliers knowing of risks

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