生体家畜輸出禁止要求、与野党が難色

動物権利団体が生体羊輸送船ビデオ提出

 オーストラリアから東南アジア、中国、中東などの地域に輸出される生体家畜が長期にわたって家畜輸送船の劣悪な環境に置かれ、多数が死亡する実態は何度もニュースになっている。

 オーストラリアの動物権利団体が、輸送船の劣悪な飼育環境に加えて高温の赤道付近を航行することから一隻の船の6万頭を超える生体羊のうち、2000頭以上が輸送中に死亡している実態をビデオで公開した。動物権利団体を中心に再び、生体家畜輸出禁止を要求する声が高まっているが、与党保守連合、野党労働党とも、生体家畜輸出禁止には難色を示している。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 管海官庁は輸送船の生体家畜輸送認可を出す条件として換気装置の改善命令を出している。また、生体羊の大量死が発生したエマニュエル・エクスポーツ社は、生体家畜を積んで出航する前に畜産監督官庁の出した新動物福利基準に厳密に適合するよう改善しなければならない。そのため、同社は、これまでの輸送船の輸送生体羊数をこれまでの65,000頭から57,000頭に引き下げている。

 動物権利団体は、テレビの時事番組「60 Minutes」でビデオを公開し、大量の羊が狭い船内の区画に詰め込まれている状況、輸送作業員が羊の死体を海に投げ込む場面や床が糞尿で汚れた囲いの中で家畜があえぎ、床に倒れ込んでいる場面が映された。

 この輸出業者は、同じ輸送船、アワシ・エクスプレスでフリーマントルから65,000頭の羊と250頭の牛を積んで中東に向けて出航しようとしていたが、それ以後、羊57,000頭に減らしている。

 デビッド・リトルプラウド農相は、「自分は農相に就任して3か月。過去のことは変えられないが、国民が納得する状態に変えることはできる。誰が、こういうことをしているのか知ったことではない。間違ったことをする者はその報いを受けなければならない」と語っているが、生体家畜輸出禁止には踏み込まなかった。

 また、ビル・ショーテン労働党党首も、「ビデオを見たが、あのようなことは許容できない。改善のためには政府と協力する」と語ったが、やはり生体家畜輸出禁止は言わなかった。

 4月8日にはオーストラリア海上安全局が、アワシ・エクスプレスに乗り込んで検査し、改善が済むまで生体家畜輸出の一時禁止措置を出したことが報道されている。
■ソース
Live export ban sidelined by Government and Opposition despite growing activist pressure

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