世界的な民間パイロット不足オーストラリアにも波及

地方路線のフライト・キャンセルは問題の手始め

 天候、噴火で航空路線に欠航が出ることはよくあるが、「パイロット不足のため」に国内地方路線で欠航が出る現実が起き始めている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 パイロットの融通がつかず、フライトが欠航したり、場合によって路線が全面的に運休する事態が起き始めており、Bureau of Infrastructure, Transport and Regional Economicsの報告書によると、2017年には国内10,808便が欠航している。これは長期平均1.4%をはっきりと上回る1.9%という率になる。

 この数字のどれだけがパイロット不足を原因としているのかは明らかにされていないが、国際的にもっと急成長している地域で問題が深刻化している。

 ボーイング社の最新の統計によると、現在の民間航空産業の成長を維持するためには今後20年間に64万人の新パイロットが必要になり、そのうち40%がアジア太平洋地域の航空路線で必要とされると予測されている。

 近年、オーストラリア人パイロットがもっと条件のいい海外の航空会社、特に中東と中国の航空会社に移籍するケースが増えている。

 ところが、その対策、あるいはパイロット不足の原因となると業界でも意見が一致しない。ただ、地域の小路線、小航空会社がもっとも打撃を受けており、地域社会にも影響が出ている。

 WA州のカーナボンの競馬は騎手やスタッフを運ぶチャーター機のパイロットがいないために開催中止になっている。また、北部準州(NT)では、遠隔地を結ぶチャーター航空会社のChartAirがパイロット不足のため、1機を飛ばせなくなっており、ダグラス・ヘンドリーCEOは、パイロットがいないため、年間100万ドルの仕事を断らなければならなくなっている。中国の航空会社は今後15年から20年で10万人を超えるパイロットを集めようとしている」と語っている。

 また、WA州のパイロット養成学校、Aero Club of WAでは、「パイロット不足は教官不足につながっている。まず、大手航空会社がパイロット不足を地域航空会社からの引き抜きで解消しようとしており、次に地域航空会社がパイロット・スクールの教官を引き抜こうとする。教官不足のために新しいパイロットが不足することになる」と分析している。

 中国南方航空とシンガポールのパイロット養成学校がWA州のジャンダコット空港でパイロット養成を計画しており、今後1年間で少なくとも70人分の教官雇用が生まれるはずと予測している。
■ソース
Global pilot shortage hits Australia, with cancelled regional routes just the beginning

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