ディックス・スミス、国産食品ブランドの廃止を発表

「ALDIとの競争で最低限必要な販売量維持できず」

 オーストラリアの起業家、ディック・スミス氏が、自分の名前を冠した純国産食品ブランド「ディック・スミス・フーズ」製品の廃止を発表した。スミス氏は、ALDIスーパーマーケット・チェーンとの競争でスーパーマーケットの商品棚を占有するだけの販売量が維持できなくなったことを敗因としている。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 7月26日朝の記者会見で純国産食品ブランド廃止を発表したスミス氏は、涙をこらえ、オーストラリアの勤労国民の雇用を守ろうとしたが失敗だったとして、フェアファクス・メディアのインタビューに答えて、「できなかった。自分の手には負えなかった」と語っている。

 さらに、「ブランドの廃止で直接には4人の社員に影響があり、間接には今後1年間で国内各地の納入業者で働く何百人、何千人もの労働者に影響が出るだろう」と語っている。

 また、「つらい気持ちだ。自分の失敗だと感じている」と語った。

 ALDIについて、「強引な低価格化のビジネス・モデルはそのうちにオーストラリア国内の複占スーパーマーケットのコールズやウールワースにも迫ってくる。その時、コールズやウールワースが商品を1700品目に絞り、75%の社員を整理しなければとうてい勝ち目はないだろう。ALDIが低価格を維持できるのは海外の安い食品を輸入することだけではない。商品品目を極端に絞ることで商品を補充したり、店内のメンテナンスを行う社員を減らしていることもある。最低限の雇用で労働コストを引き下げ、その利益は社主に流れていくようになっている」と語っている。

 しかし、ALDIオーストラリア社のトム・ドウントCEOは、フェアファクス・メディア宛の書簡で、「ALDIはオーストラリア製を優先的に購入するポリシーを掲げている。他の者を犠牲にして利益の最大化を図ることはしていない。一方的に利益の最大化を図ることはゼロ・サム・ゲームになってしまう。真に納入業者とパートナー関係になるなら、長期的に両者が繁栄し、かつ顧客の利益になるように努力するはずだ。当社の成長は何百もの国内生産業者や大勢の労働者と分かち合っている」と述べている。

 ウールワースの広報担当者は、「ディックス・スミス・フーズはよく知られたオージー・ブランドで支持する消費者も多いだけに、撤退は残念な話だ。当社は、扱う商品の種類を広げることを長期的なビジョンとしている」と語っている。

 ディック・スミス・フーズは、スミス氏が国内の農家や労働者を支援する目的で1999年に設立したブランドで、4億8,000万ドルの売り上げがある。また、スミス氏自身は1セントの利益も受け取らず、利益から1,000万ドルを様々な方面に寄付してきており、最近では旱魃救済のために農業婦人会に100万ドルを寄付している。
■ソース
Dick Smith to close his grocery line, blaming unbeatable Aldi

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