羊毛生産量、羊頭数が100年来の最低水準に

大陸の広い地域を覆う深刻な旱魃で牧場疲弊

 食肉家畜上部団体の「Meat and Livestock Australia」によると、全国の羊頭数が2019年中に1900年代初頭以来の低水準の6,580万頭にまで激減すると予想されている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 国内の主要な羊生産地がいずれも何年もの旱魃に悩まされており、羊生産者は種畜を屠殺し、頭数を減らさなければならない状況になっている。

 家畜仲買業者のロス・エリス氏は、「旱魃の影響がさらに続くと、農家は羊を手放さなければならず、種畜を失うことになる」と語っている。

 エリス氏は、QLD州サザン・ダウンズのウォーウィック家畜市場で20年以上も羊の売却経験があり、「昔に比べると市場に出る羊は半分くらいになっている。昔は水曜日ごとに5,000頭から6,000頭くらいのメリノが売買されたものだが、今はそれほどの羊が集まってこない」と語っている。

 1990年代に羊毛価格を保証していた羊毛最低価格制度が廃止されると国内の羊頭数は1億頭近くも減少した。そのため、羊毛と子羊の価格が記録的な高値を呼ぶようになった。

 1900年以来、オーストラリアは世界最大級の羊毛輸出国であり、年間何十億ドルも稼ぎ出していた。しかし、旱魃のため、家畜に与える干し草の費用が収益を上回るようになっており、農場では不承不承家畜を減らしている。

 サザン・ダウンズの農家のイアン・カレン氏は、「過去4年か5年も旱魃が続いており、これまで枯れたことのなかった水場が枯れている。白人オーストラリア国家始まって以来これほど乾ききったことはなかった」と語っている。

 ただし、需要が供給を上回っているため、子羊から老羊までどこでも羊がいい金になっており、カレン氏は、「今のところ羊肉がいい金になっているが、雨が降り始めた時のために家畜を購入する蓄えが必要だ。おそらくその頃には種畜も手に入れにくいだろうから」と語っており、気候条件が好転した時にも問題が残ることを示唆している。

■ソース
Wool production, sheep numbers hit 100-year lows as widespread drought continues

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