シドニー・ムスリム市民、トラウマ退職の元警察官に恩返し

クロヌラ人種暴動で単身、中東系青年を暴徒から守る

 2005年のクロヌラ人種暴動で、ビールをあおり、オーストラリア国旗をまとった反中東系白人青年暴徒群衆は何も知らずに通りがかった中東系と見られる市民を襲って暴力をふるい、果てはクロヌラ鉄道駅になだれ込み、電車に乗っていた無関係の中東系青年らを引きずり出して暴力をふるうなどした。

 そのニュース写真で、警棒を振り、中東系の若いカップルを暴徒から守った警察官の姿が広く知れ渡った。写真の主、元警察官のクレイグ・キャンベル氏(56)は、事件後、心的外傷後ストレス障害(PTSD)で警察を退職し、また、警棒を振り回したことが警察組織上部で過剰防衛と判断され、一旦受けた「勇敢章」を取り上げられた。

 今年になってシドニー・モーニング・ヘラルド紙が、職も失ったキャンベル氏がウロンゴンの南ダプトの両親の家の敷地にキャラバンを置いて暮らしていることを報道した。

 その記事を読んだムスリム・コミュニティのリーダー、ジャマル・リフィ氏がモリス・イエンマ元NSW州首相に電話し、ムスリム市民がキャンベル氏にどれほど感謝しているかの気持ちを表すフットボール・トーナメント開催を提案した。

 5月15日、フットボール選手のハゼム・エル・マスリ、チャンピオン・ボクサーのビリー・ディブ、イスラム聖職者のアフメド・アブド、ナビル・スカリエ各氏がチームを率いて、「クレイグ・キャンベル団結杯」トーナメントを開催することになった。また、オーバーン・ジャイアンツ、ムスリム婦人協会、グランビル男子高校、豪人権委員会、メディア各社がルーク・バティ基金とキャンベル氏のために寄金を募る。

 キャンベル氏は、「リフィ博士から連絡を受けた時は言葉も出なかった。社会が私の行為に感謝してくれているというのは何事にも代えがたい」と語っている。

 クレイグ・キャンベル団結杯は、パンチボウルのオーストラリアン・ナショナル・スポーツ・クラブで午前9時から午後2時まで行われる。
■ソース
Muslim community honours Cronulla riot cop Craig Campbell with football tournament

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