「住宅値上がりに海外投資家無関係」

中銀が調査結果を発表

 1980年代後半から90年代前半にかけての住宅不動産価格高騰には、オーストラリア人の間で「日本人の買い占めが原因」という風聞が流れていた。結局、風聞は完全にデマで、むしろオーストラリア国民の間の排外主義、悪いことがあると外国人のせいにするというどこの国にもある程度見られる現象ということになった。最近もシドニーなどの住宅価格高騰では、「中国人の買い占めが原因」という風聞が飛び交っており、新聞投書欄などにもちらほらと「中国人の買い占めを防げ」という主旨の投書が現れる。それに対して今回は早くから、「国内住宅不動産購入はカナダ人、アメリカ人が中国人より多い」、「中国人の投資は高級住宅が主体で一般住宅価格高騰の原因にはならない」、「外国人の住宅購入は新規建築に限られており、むしろ住宅供給を促進するはず」など、風聞を鎮める論説が現れている。

 6月20日には、中銀(RBA)が、「外国人の住宅投資は住宅供給を促進しており、住宅価格高騰の原因にはなっていない。国内経済は住宅投資を必要としている」と発表した。ただし、「一部、特に高級住宅の価格上昇には外国人投資が幾分か関わっている」としている。最近、オーストラリアの首都圏の住宅価格は経済開発協力機構(OECD)でも世界通貨基金(IMF)でも警戒論が出ているが、2014年第二四半期RBAブレティンが掲載した記事でRBAの分析を伝えている。

 IMFが24か国の住宅価格を、住宅価格と所得、賃貸価格などを基準に比較した結果を発表し、オーストラリアの住宅価格がベルギー、カナダに次いで高いとしている。中銀は、「過去20年で国内住宅価格が著しく上昇したが、外国人投資は原因ではない、住宅不動産全取引に占める外国人の住宅購入はまったく増えていない。また、外国人投資家は、初めての持ち家購入層とはまったく異なる市場だ。初めての持ち家購入層は平均より安い既成住宅に集中しているが、外国人投資家は新築または初めての持ち家購入者には手の届かない特に高価な物件に集中している。また、外国人投資家の需要が、豪経済で9%の雇用を占める国内住建業界の刺激材料になっている。現在の経済サイクルではこの外国人投資家の存在は非常に重要だ」と述べている。(NP)

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