QLD州からのガス輸出でガス料金沸騰

炭素税廃止後もまったく影響なし

 トニー・アボット保守連合政権は、炭素税を廃止すれば世帯あたり年間$500の支出節約になると主張していたが、炭素税廃止後も電気料金は下がらず、今度はガス料金が追い打ちをかけるように値上げ勢力に控えている。

 グラッタン・インスティチュートの調べによるもので、調理、温水、暖房にガスを使っている大陸東部の大きめの世帯なら年間$435の光熱費支出増になるが、政府は介入すべきではないとしている。

 今後2、3年の見通しでは、シドニーの特に熱源をガスに頼っている世帯では年間$255程度だが、90%の世帯が都市ガスに頼っているメルボルンでは年間$435の値上がりになる。

 2015年から本格的にQLD州のガス田からの海外輸出が始まることになっており、国内都市ガス消費者は、はるかに高い国際価格を払わさせられることにもなっている。シンクタンクの同インスティチュートでは、算出基礎として卸売りガス価格をギガジュールあたり$9と倍増する見通しになっている。

 そのため、国内ガス埋蔵量の一定率を国内用に確保し、価格も輸出価格より低く抑えるよう要求する声が挙がっているが、同インスティチュートでは政府の介入は投資意欲を削ぎ、雇用などの経済的利益を阻害するとの反対意見で、「価格上昇が低所得者や福祉・年金受給者に与える影響を緩和するためには現行の福祉などを通して補償すべきだ」としているが、オーストラリア福祉事業協議会のカサンドラ・ゴルディCEOは、「このような光熱費のわずかな値上げも低所得者層には大きく響く。問題は今の福祉でも十分ではないということだ」としている。

 オーストラリア労働者組合(AWU)のスコット・マクダイン全国書記長は、「国内確保制度が投資を阻害するという考えが間違っていることはすでに証明済みだ。多国籍ガス企業は世界中、ガス埋蔵量があるところではどこででも事業をしており、オーストラリア政府には企業に都合のいい条件を呑ませているだけだ。WA州では国内確保制度を2006年に実施したがすでに880億ドルの投資を獲得している」と反論している。また、BISシュラプネル社の報告では、ガス価格値上がりのため、今後5年以内に20%の重製造業が閉鎖され、2023年までに製造部門が15.4%縮小、91,300人の雇用が失われるとして、グラッタン・インスティチュートの主張に対する反論材料を挙げている。

 また、クレア・ペトリ・エネルギー水資源オンブズマンは、「2015年度にはガス価格問題が重要課題として浮かび上がってくるだろう」と予想している。(NP)

http://www.smh.com.au/national/gas-prices-will-explode-due-to-queensland-exports-says-grattan-institute-20141019-1172ev.html

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