「オーストラリアは所得不況に入った」

経済成長率、予測の半分に満たず

 12月3日、豪ドルが2010年7月以来初めて84米セントを下回るところまで下がった。

 オーストラリア統計局(ABS)の国内総生産(GDP)データによると、2014年第3四半期の経済成長率は0.3%、また、2013年10月1日から2014年9月30日までの年経済成長率も2.7%に留まった。エコノミストを対象とするブルームバーグの世論調査では、エコノミスト予測の中心値は、第3四半期成長率が0.7%、過去1年間の成長率は3.1%だった。オーストラリア経済成長率鈍化の発表を受け、豪ドルは同日午前11時30分には84.5米セント、11時47分には83.95米セントまで下がった。

 さらに追い打ちをかけているのは、2014年第3四半期の貿易条件が季節調整後で3.5%下落したことが大きく災いし、同四半期には実質国民総所得が0.4%低下していた。ABSの観測による国民一人あたりの実質可処分所得は同四半期中に0.8%低下、過去1年間では1%低下している。この数字は、経済は成長しているが、輸出価格が著しく低下していることから国民の実質収入が下がっていることを意味している。

 報道によると、AMPキャピタル・インベスターズの主任エコノミスト、シェーン・オリバー氏は、「オーストラリアは所得不況に陥っている。GDPが予想を下回っており、所得不況で国民所得がまたもや下がっているという事実から政策金利がさらに下げられる可能性が考えられる」と分析しており、「鉱山ブームは逆転している。貿易条件が悪化し、豪ドルが下がっていることは、製造、観光、高等教育、資源などの輸出産業にとっては好条件と言える。これが唯一明るい知らせと言える」と語っている。

 しかし、ジョー・ホッキー財相は、豪ドルの低下を歓迎しつつ、オーストラリア経済が弱まっているという見方を否定し、炭素税、鉱山税を廃止して以降の3か月に経済成長が急激に鈍化しているにもかかわらず、「炭素税、鉱山税の廃止で経済が後押しされている。炭素税は第3四半期の初めに大きな打撃になった。しかし、その後エネルギー消費量が増えたことが炭素税の影響をはっきりと示しているではないか」と反論している。

http://www.abc.net.au/news/2014-12-03/gross-domestic-product-gdp-data-abs-september-quarter/5936608

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