西部住民、SBSに清掃車で押しかける

貧困取り上げたドキュメンタリーに抗議

 5月6日夜、国営民族専門放送局のSBSがシドニー首都圏西部の貧困世帯の生活を赤裸々に描いたドキュメンタリー番組「Struggle Street」を放送した。これに先だって貧困世帯地区を抱えるブラックタウンの市長が、「税金でまかなわれ、貧困を覗き見するポルノ」と番組とSBSを批判していたが、6日朝には地域住民が清掃車を連ねてアーターモンのSBS本社前に押しかけるなどの抗議行動を行った。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 5日夜にはブラックタウン市議会でSBS管理者と住民らの緊急会議が開かれ、住民らが、「番組では最悪の描かれ方をしている。放送を中止して欲しい」と要望したが、SBSのヘレン・ケリー・コンテント主任は、「主張には根拠がない。確かに生々しい内容だが、番組制作スタッフが6か月間家族らと過ごした現実であり、貧困の現実を改善するために伝えなければならないことだ」と語っている。

 一方、スティーブン・バリ・ブラックタウン市長は、「国中の笑いものにするため、SBSはマウント・ドルイットだけを取り上げた。少数の家族を取材し、彼らを侮辱し、倫理にもとる態度でまったく嘘の場面を作り、ドキュメンタリーと称している。これは貧困ポルノだ。番組はまったくの屑だ。ボランティアの清掃車が抗議に押し寄せたのも、住民の心情を象徴するためだ。テレビでこのような取り上げ方をするのはフェアではない」と語っている。

 SBSの番組制作者は、「プログラムについてはSBSの理事会で完全に支持を得ている」と語っている。しかし、バリ市長は、「画面に描かれている内容は事実と反する作りごとだという主張が出されている。SBSはその事実関係を調査する間のせめて1週間でも放送を延期すべきだ」と語っている。

 ケリー主任は、「番組の内容が作りごとだという主張は放送局にとっては非常に重大な問題だが、その根拠がない。住民は放送間際になって作りごとだと言ってきた」と反論している。一方、取材を受けたケネディ一家のピータ・ケネディは、「19歳になる娘のクロエはいくつもの障害を抱えているが、テレビで予告が放送されて以来、イジメを受けるようになった。SBSや制作会社のキーオは、娘が受けているいやがらせや差別をどうしてくれるのか」と語っている。
■ソース
Struggle Street: Garbage truck protest against SBS ‘poverty porn’ documentary

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