「シャペル・コービーの言動が悪影響」

バリ・ナインの恩赦を不可能にと元判事

 バリ島の空港でブギー・ボードの袋から大麻が摘発され、20年の懲役刑を言い渡されたシャペル・コービー元受刑者は、バリ・ナインの首謀格、アンドリュー・チャンとミュラン・スクマラン両死刑囚が銃殺処刑される前に仮釈放されていた。しかし、コービー元受刑者やその家族の言動がインドネシア側の態度を硬化させ、チャン、スクマラン死刑囚の助命を困難にしたとの証言が出ている。

 ジャカルタで死刑廃止運動の中心を担っているジムリ・アシディキー元インドネシア憲法裁首席判事が語ったもので、「2人の処刑を強く主張していたのはジョコ・ウィドド大統領だった」語っている。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 ジムリ教授は、「ジュスフ・カラ副大統領は少数派の死刑反対派だった。2人の処刑の前、2014年にコービー元受刑者がケロボカン刑務所から釈放されたが、2012年にスシロ・バンバン・ユドヨノ前大統領がコービーに大統領恩赦を与えた後にもコービーはインドネシアに批判的な発言を続けていた。恩赦に対して感謝の気持ちを表すこともしなかった。そのことがインドネシア国民の間に非常に悪い印象を与えていた。2014年2月に仮釈放された後も、妹のマーシーディーズ・コービーがセブン・ネットワークの独占インタビューを受け、『ブギー・ボードに隠されていた大麻の袋はインドネシアで仕込まれたのではないか』と発言した。それまでにもメディアの間ではコービー大統領恩赦に反対する声があったが、マーシーディーズのこの発言でさらに燃え上がった」と語っている。

 さらに「事態を悪化させたのは、オーストラリア国内でトリプルJがロイ・モーガン・リサーチ社に委託した世論調査で、2人の処刑を支持する意見が大きかったことだ。インドネシア国内では、『オーストラリア国民は2人の処刑に反対していない。反対しているのはごく一部の人間だけだ』という考えが固まった」と語っている。

 また、同教授が2人の処刑に反対したことで、インドネシア政府閣僚が教授をオーストラリアのスパイと呼ぶ事態にまでなった。さらには、トニー・アボット連邦首相が、インドネシアの津波被害への10億ドルの援助に言及し、「オーストラリアがインドネシアを助けた。今度はインドネシアがオーストラリアを助ける番だ」というニュアンスの発言をしたことでインドネシア国民の態度がさらに硬化したことを認めている。

 結局2015年初めには、2人の処刑は確定したと語っている。
■ソース
Schapelle Corby made it harder to save Andrew Chan and Myuran Sukumaran

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