「2枚のガラス越しの狙撃はほぼ不可能」弾道専門家証言

マーティン・プレイスのリンツ・カフェ籠城事件の検視法廷審理

 2014年12月16日午前2時過ぎ、シドニー都心部マーティン・プレイスのリンツ・カフェでの籠城事件発生から17時間、犯人のマン・ハロン・モニス(死亡)がカフェのマネージャ、トリ・ジョンソンさんを散弾銃で至近距離から射殺した銃声をきっかけに武装警官隊が突入、モニスを射殺し、人質を解放したが、ジョンソンさんの他に客としてカフェにいたカトリナ・ドーソンさんが警察の銃の流れ弾に当たって死亡した。

 その事件の検視法廷審理で、弾道専門家が、「向かいのウエストパック銀行内から2枚の窓ガラス越しに狙撃することはほぼ不可能だった。また、突入時の警察官の銃撃も店内の12mmのガラス板に跳ね返された」と証言した。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 警察の特殊対応班員Bは、店内のガラス越しに銃撃しながら突入したが、左頬と太ももに銃弾の破片を受けて負傷した。警察の弾道専門家、ルーカス・バン・ダー・ウォルト氏が証言台に立ち、「警察官Bは、12mmのガラス越しにテーブルと椅子に隠れていたモニスを狙い、2回射撃した」と証言した。証拠として出されたビデオは、同じ条件で射撃した結果、銃弾はガラス板に当たって砕け、跳ね返っている。また、バン・ダー・ウォルト証人は、「事件後、形を残している銃弾は22個あった。椅子4脚が14発の銃弾を受け、テーブル2脚が2発、ガラスの仕切りにも2発当たっていた。最終的に4発がモニス、モニスのバックパック、壁に当たった」と証言している。

 さらに、「人質のドーソンは、おそらく警察銃の銃弾1個の破片を受けて死亡したものと思われる。首と背中上部に7箇所の傷があった。破片を合わせた重量は銃弾1個とほぼ同じだった。ただし、2発目の銃弾の破片が混じっていないとは言えない」と証言している。

 さらに、「リンツ・カフェから斜め向かいのウエストパック銀行内に警察の狙撃手が配置されていたが、ウエストパック銀行の窓ガラスとカフェの窓ガラスを突き抜けてモニスに命中させることは不可能だ。ウエストパック側の窓ガラスを破らない限り、カフェの窓ガラスに当てることもできないだろう。狙撃手の使う徹甲弾で実験したが、ガラス板に当たって砕け散り、50m先のもう1枚のガラスに届きさえしなかった」と証言した。

 また、この日は、警官隊の突撃時の状況が3Dビデオで証拠として再生された。
■ソース
Sydney siege inquest: Glass partitions would have acted ‘like concrete’

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