3万人超える学童、違法X線撮影受ける

民間企業が移動歯科でX線装置無免許操作

 NSW州の学校を巡回するシドニーの民間企業の移動歯科が、無免許のまま学童の口腔部のX線撮影をしていたことが伝えられている。州政府保健省と教育省には問題の訴えがあったにも関わらず、同企業は移動歯科病院でX線装置の無免許操作が続けられている、としている。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 シドニー北西部の民間企業の営業する移動歯科、Smiles Onsiteは、免許なしで2歳以上の児童にX線被曝させており、元社員からはメディケア悪用と社員酷使の非難を受けている。

 民間移動歯科クリニックは成長産業になっているが、今回のこの暴露で産業の不透明さが浮き彫りになり、一方、歯科医師団体は、学童を対象とするメディケア歯科制度が優れた制度でありながら、民間企業が制度を悪用する結果、元の制度そのものを政府が廃止してしまうのではないかと懸念している。

 7月、Smiles Onsite移動歯科クリニックを運営するAustralian Aged Dental Care Pty Ltdは、ダウニング中央地裁公判の3日目に、X線技師免許のないままX線装置を使って学童にX線照射を続けていた容疑に対して有罪を認めた。しかし、2016年初めに無免許X線装置操作は中止したものの、それ以後もSmiles Onsite移動歯科クリニックの巡回を続けており、州に150人ほどの診察をしている。

 フェアファクス・メディアによると、同メディアは元スタッフやこの問題を知る管轄官公庁職員、歯科専門家に取材し、資格の不足するスタッフの雇用、現実には行わなかった処置や不必要な処置に対してメディケアに請求、超過勤務、賃金不足などから、会社のやり方に疑問の声を挙げたスタッフの解雇など、同社を批判する声を聞いているが、同社はその証言内容を否定している。

 NSW州保健省の広報担当官は、2013年12月に全豪歯科医師会(ADA)が、移動歯科クリニックでインフォームド・コンセントが欠けていること、Child Dental Benefit Scheduleの不適切な利用があることなどの懸念を伝えていたことを明らかにしている。また、ADAは学童保護者に宛てて、継続して診察を受けられる地元の歯科医に行くこと、不必要なX線撮影をしないこと、治療行為のみがメディケアに請求されるように確かめることなどを強く勧めている。また、ADAは、公的制度を悪用する者を処罰することには全面的に賛成している。

 2015年には連邦保健省が、移動歯科クリニックに対して、その営業行為を政府の行政サービスと思わせることを停止するよう命令している。
■ソース
‘Disgusted’: More than 30,000 school children illegally X-rayed

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