元アデレード大司教の控訴審で第一審有罪破棄

教会内の児童性虐待隠蔽容疑覆される

 フィリップ・ウィルソン元アデレード大司教(68)は、5月にニューカッスル地裁での裁判でカソリック教会内の児童性虐待を隠蔽した容疑で有罪判決を受けていたが、12月6日の控訴審は一審の有罪判決を覆した。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 控訴審のロイ・エリス判事は、「ウィルソン神父は正直で証言も一貫性があり、性虐待の訴えを受けていたという証言に疑いがある」と述べた。

 この判決の日、廷外のメディアの混乱を避けるため、ウィルソン神父は出廷せず、ビデオ・リンクで証言する許可を与えられた。

 ウィルソン神父は、第一審で児童性虐待の事実を知りつつ、これを警察に届けず、組織内で隠蔽したとされて有罪判決を受け、6か月の自宅謹慎を命じられていた。

 第一審は、1970年代に遡って、ハンター・バレー地域のカソリック教会のジム・フレッチャー聖職者から性虐待を受けたとの児童の訴えに対してこれを隠蔽したとされ、有罪判決を受けている。

 1976年、ピーター・クレイグ証人は、フレッチャー聖職者に性虐待を受けていたことをウィルソン神父に打ち明けたが、2004年にフレッチャー聖職者が他の児童性虐待で起訴された時も、ウィルソン神父はクレイグ証人の事件を警察に通報しなかったと証言している。

 しかし、エリス判事は、「ウィルソン神父の証言には非常に正直な傾向があり、従って、彼が証人として正直であると認められる。彼はピーター・クレイグ証人を悪く言おうとしなかったし、嘘つきと呼ぶこともしなかった。明らかに知的であり、その証言も明確である。ウィルソン神父の証言を排除するための正当な根拠は見つからない。また、検事は疑い得ない十分な証明をしていない」と述べている。

 傍聴席のカソリック聖職者による性虐待被害者が立ち上がり、「たわごとを言うな。まったく恥知らずだ」と叫んだ。

 また、検事側も控訴の考えを示唆した。
■ソース
Former Adelaide archbishop Philip Wilson’s conviction for concealing child sexual abuse quashed

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