前国税庁副長官、情報に関わる不正行為無罪判決

「私は職務を忠実に遂行してきた」

 2月15日、シドニー市内ダウニング中央地裁は、公務員の情報に関わる不正行為で起訴されていたマイケル・クランストン前国税庁副長官に無罪の判決を言い渡した。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 クランストン氏は、官庁の上級公務員という立場を乱用し、知り得た情報を不法に実業家の息子に伝えたという容疑で起訴されていたもの。

 閉廷後、廷外で取材陣に向けて、「起訴された時はまったく意外でショックだった。自分のやって来たことを振り返ってみても、自分の職務を忠実に遂行してきただけであり、また、息子に関して利害の抵触があることははっきりと申告していた」と語っている。

 また、妻のグロリアさんは、「この裁判は様々な推測、憶測に基づく裁判だった」と語っている。

 前副長官の起訴は、2人の息子、アダム・クランストン、ローレン・クランストン両氏が、ダミーの役員で運営する企業を仕立て上げ、正規の給与代行会社を使って何百万ドルもの脱税の共謀に関わっていたとして刑事訴追されかけていることに関連して行われた。

 クランストン氏裁判の予審尋問でピーター・ニール検事は、その後の裁判では触れられなかった共謀容疑を、「誰でも知っていながら触れようとしない問題」と呼んだが、2日にわたる審理の後、陪審団は、クランストン氏に無罪の評決を下した。また、自分の職業上の影響力を利用し、不正に息子の利益を図った容疑についても無罪の評決を下している。

 検事側の陳述は、「クランストン被告人は、2017年前半にアダム・クランストン氏から2つの内容の要請を受けており、それについては利害の抵触が成り立つため、要請を断り、問題を上司に報告すべきだった」としており、さらに、要請の内容として、アダム・クランストン氏が持ち株会社を通して利害関係を持っていた給与代行会社の元役員、サイモン・アンケティル氏に対する国税庁の監査の内容を調べるよう依頼されたとしている。

 2017年前半に盗聴されていた通話21回のうちの1回で、クランストン被告人は息子に、「データは通常組織犯罪に関連する機密エリアにある」と伝えている。

 クランストン被告人のデビッド・スティーリ弁護士は、「被告人は、息子を良からぬ人々から引き離そうとしていただけだ」と陳述している。

 クランストン氏は、「もう国税庁に戻ることはできない。コンサルタントの仕事を始めるつもりだ」と語っている。
■ソース
‘Just doing my job’: former tax chief Michael Cranston exonerated in court

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