「政府はタバコの商標なんて欲しくない」

司法長官、タバコ企業4社の提訴に反論
 裁判所で係争中の事案に当事者がコメントすることは少ないが、2月8日、連邦政府のニコラ・ロクソン司法長官が、タバコ4社の民事訴訟について記者会見で、「4社の根拠は薄弱。彼らに勝ち目はない」と語った。
 連邦議会で通過した「無地煙装義務化」立法は2012年12月から発効するが、フィリップ・モリス、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ、インペリアル・タバコ、日本たばこインターナショナル4社は、2011年に、「くすんだ緑色のパッケージを強制する無地煙装義務化法は憲法違反」として連邦高裁に提訴しているが、「商品パッケージにブランド名、ロゴを表示することを禁止する同法は、政府が企業の知的財産権を補償なしで手に入れようとする行為だ」としている。
 これに対して、ロクソン司法長官は、「連邦は、メーカーのブランドを手に入れようとしておらず、従って、補償する義務もない」と反論している。政府は、タバコ4社が2011年に提訴したのを受けて、今週、裁判所に陳述書を提出した。
 政府の陳述書の主旨は、「同法は、原告側のブランド名とロゴの使用を制限するものであり、国がブランド名やロゴを接収したものではない。無地煙装は、連邦に対しても、その他何人に対しても、識別測定可能な利益や有利性を与えるものではない」とする内容で、さらに、「百歩譲って、タバコ会社の知的財産権を接収したとしても、そのような権利は常に法の規定の対象となり、制限を受けるものだ。この場合は、無地煙装義務化がそのような法に他ならない」と述べている。
 また、ロクソン司法長官は、「国側の主張の方が強い法的根拠を持っている。国がタバコ会社の財産を手に入れようとしているという議論なら、はっきり言って、国はタバコ宣伝を欲しいとも思っていないし、関心もないし、そもそもそのようなものを必要ともしていない。しかし、ブランドやロゴの使用を規制制限したいだけだ」と述べている。さらに、「無地煙装義務化は国民の健康向上が目的であり、これは、憲法の定める商業・貿易・外交に対する連邦立法権の範囲内だ」としている。
 タバコ訴訟を数多く扱ってきたピーター・ゴードン弁護士は、「連邦がタバコ会社の知的財産権を奪おうとしている主張はもちろん茶番だ。だれも、タバコ会社の商標を奪おうとはしていない。若年者の喫煙を煽るような形で商標を用いることを禁止するだけだ」とタバコ会社の主張には法的根拠がないと判断している。(AAP)

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