インドネシア漁師、豪から賠償金獲得

ナマコ密漁と漁船焼かれ提訴

 豪監視船がインドネシアの排他的経済水域(EEZ)に侵入し、漁をしていたインドネシア人漁師の漁船を没収、焼却処分したことで、被害者漁師がオーストラリアの法廷にオーストラリア国家を相手取って提訴し、3月19日に勝訴し、ダーウィンの連邦裁は、オーストラリア連邦政府機関の違法行為と判決を下し、インドネシアの被害漁船の所有者、船長、船員に向けて賠償金や裁判費用、総額44,000ドルを支払うよう、オーストラリア政府に命じた。漁師の弁護士は、「画期的な判例になった」と語っており、オーストラリア連邦の国境警備機関の逸脱行為を掣肘する根拠となる可能性を示している。

 西チモールの漁村のサリングさん(43)の家族は漁業で暮らしてきた。サリングさんがインドネシアEEZ内で漁撈をしている時に豪海軍の巡視艇HMASブルームが漁船を拿捕し、海上で焼き払った。このEEZはオーストラリアの大陸棚上にも伸びており、水中の魚介類についてはインドネシアの法律が及ぶが、海底に接している水産資源についてはオーストラリア連邦の法律が及ぶことになる。

 サリングさんは、「豪海軍艦艇は、漁船がオーストラリア大陸棚でナマコ漁をしていると誤解した。しかし、私の漁船は魚漁専用だ。事件当時、私は船が大陸棚上にいるが、インドネシアEEZ内だという問題を理解していなかった。しかし、私の村の漁師は誰でも昔からその海域で漁をしてきた」と陳述している。

 連邦裁のジョン・マンスフィールド判事は、「原告はオーストラリア連邦の水産管理法に違反しておらず、豪海軍が漁船を没収焼却する法的根拠はなく、ゆえに違法行為だった」として、豪連邦政府に対して、サリングさんに漁船損害賠償として25,000ドル、漁ができなくなったための逸失利益賠償として15,000ドル、また、事件当時、豪海軍が不法にサリングさんを拘束したことに対する賠償として4,000ドルの支払いを命じた。

 サリングさんのグレッグ・フェルプス弁護士は、「大陸棚海底に関するオーストラリア連邦法に違反することがない限り、インドネシアの漁師がインドネシアのEEZ内でインドネシアの漁業免許で漁をすることは違法ではないことを判例として確立する判決」と評価している。(NP)

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る