「寄生虫のような略奪行為」

医療労組横領事件2人目も実刑

 なぜ特定の労働組合で幹部の腐敗が起きるのかには様々な原因があるのだろうが、先日有罪判決を受けたクレーグ・トムソンは医療労組(HSU)の全国書記長を務めていた時期に労組から貸与されたクレジット・カードを使って労組資金を私用に充てた。その後継者だったマイケル・ウィリアムソン被告人もHSUの資金を使い込んだだけでなく、お手盛りで自分の報酬を大幅増額し、さらには自分の家族まで雇い込んでほとんど何の仕事もできないのに巨額の給料を支払っていた。

 いずれも、不審を感じて内部告発する者が現れても、最高権力を振り回し、配転や名誉毀損訴訟で脅すのが常套手段であり、一般市民の財産では名誉毀損訴訟を受ければひとたまりもなく困窮してしまう。HSUも例に漏れなかった。

 3月28日の判決言い渡しでは、シドニーの地裁のデビッド・フリアソン判事が、「ウィリアムソン被告人は図々しく傲慢。自分の欲得のために組合労働者を裏切る寄生虫のような略奪行為」と厳しく決めつけた。また、「被告人は労組資金を100万ドル近くも横領した当時、労組内最高権力の座にいて、権力をほしいままに利用し、犯行当時の給与は年50万ドルにものぼっていた。また、横領した労組資金は贅沢な生活ぶりに充てられていた」と述べている。

 判事が判決文を読み上げ、7年半の懲役刑を言い渡しても、ウィリアムソン被告人は感情を表さず、廷吏に連行されるまで判事を見つめていたと報道されている。ウィリアムソン被告人の弁護士は、「依頼人は謝罪し、責任を負うと語っている。さらには、犯行が明るみに出て以後、抑鬱症に悩まされている」と陳述持したが、フリアソン判事は、「犯行の言い訳になるような精神障害ではない。しかし、ある程度の良心の呵責を持っており、再犯することはないと信じられる」と述べた。

 被告人は、横領だけでなく、他人に警察の捜査の妨害をさせるなど4件の容疑で起訴されており、すべてに有罪を認めた後、最高20年の懲役判決もありえた。(NP)

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