157人の船舶上での拘置は適法

連邦高裁、難民希望者の訴え退ける

 1月28日、連邦高裁は、スリランカ人難民希望者157人をインド洋に浮かんだ船舶内に拘置した措置はオーストラリア政府の権限の範囲であり、適法との判断を下し、訴えを出していた難民希望者グループに裁判費用の負担を命じた。ピーター・ダットン移民相は判決を歓迎するとの談話を発表した。

 2014年6月、157人の乗った難民船は、インドのポンディチェリーを出港し、インド洋北部を横断して大陸北西沖にあるクリスマス島から16カイリほどの位置で出火した。そのため救難信号を発信し、税関局の「オーシャン・プロテクター」に救助された。その後、同船は157人を乗せたまま約1か月にわたり同水域に停泊、その後海洋取締権限法に基づいて、オーストラリア政府の指示により、インドに向けて航海を始めたが、スリランカ人の処遇についてインド政府が引き取りを拒否したため、最終的にナウルに運んだ。

 訴訟グループの弁護団は、「オーストラリア国外に拘置したのは違法であり、国際的なオーストラリアの義務に違反し、税関局船舶に1か月近くも拘置したのは非人道的で残酷な行為だ」としていた。また、難民希望者救援組織は、2014年末に制定された法律が難民押し戻し政策や海上拘置の違法性を問うことが難しくしていることに懸念を表明している。

 しかし、高裁の判決は4対3とぎりぎりの数で割れており、この問題の法的位置づけの難しさを示している。判決では、連邦政府の行為が適法であり、訴訟グループには連邦政府に損害賠償を求める資格がないとしている。ダットン移民相は、「政府の方針が適法であると認められた」と述べている。

 高裁は、原告に裁判費用負担を命じた他、ナウルの難民収容センターでの難民認定審理を受けるよう命じた。

 人権法律援護センターのヒュー・ド・クレツァー理事は、「判決は残念だが、海上における政府の行為に対して法的精査を行ったことは前進だ」と述べている。
■ソース
High Court ruling that Sri Lankan asylum seekers legally detained at sea welcomed by Immigration Minister Peter Dutton

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