QLD州の炭鉱社員に炭塵肺見つかる

豪では60年前に一掃されたはず疾患

 鉱山従事者などの職業病「塵肺症」が、QLD州の炭鉱の社員に発見された。長年知られていなかった疾患だけに、オーストラリア国内には塵肺症の診断をできる医師がいないのではないかと懸念されている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 今回発見されたのは、炭鉱社員4人の肺のX線画像からで、オーストラリアの医師は見落としており、アメリカの医師が簡単に発見したと報道されている。塵肺症は「pneumoconiosis」や「black lung」と呼ばれており、長期にわたって炭塵その他の粉塵を吸い込むことから起きる致死性のある疾患。

 炭鉱社員の加入する労組、建設林業鉱業エネルギー労働組合(CFMEU)のスティーブン・スミス議長は、「今回、塵肺と診断された4人は氷山の一角ではないか。何百人、何千人という鉱山労働者が塵肺のリスクにさらされているのではないか」と懸念している。

 1947年以来、X線撮影と肺検査で早期発見に努め、また坑内の炭塵濃度を常時モニターすることで塵肺患者の発生を防いできた。しかし、鉱業ブームと新しい長壁式採炭法で鉱山労働者が炭塵にさらされる機会が増えたとされている。

 また、最近にはQLD州政府の鉱山省が、「塵肺を検出する方式としてILOが開発した業界基準であるX線写真の有資格『Bリーダー』がオーストラリア国内では圧倒的に不足している」ことを認めた。

 スミス議長は、「鉱山労働者はこの制度に頼っている。専門家が、少なくとも5年に1回はX線写真を撮るように、と言っている。写真をチェックし、大丈夫だ、仕事に戻れるということだったはずだが、何のことはない、炭鉱労働者は15年もこの診断を受けていなかった。何千人もの労働者が検査を受けていなかったのだ」と語っている。

 イギリスの医学学術誌、「The Lancet」によると、2013年だけで炭鉱労働者25,000人が塵肺で亡くなっている。

 また、QLD鉱山企業上部団体のQLD資源協議会のマイケル・ロシュCEOも、「もう何十年も患者が出なかったために油断していた」と問題を認めている。
■ソース
‘Black lung’ makes comeback in Queensland coal mines, union suggests ‘cover-up’ could ‘blow top off industry’

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