漢方薬から重金属、覚醒剤、有毒物

大学の分析で絶滅危惧種DNAまで

 オーストラリアの大学研究者の分析で、漢方薬から含まれていてはならない様々な物質が検出された。有毒物質、重金属、覚醒剤、処方箋薬剤などから絶滅危惧種動物のDNAまで含まれており、分析した漢方薬の90%が「人間の服用に適さず」と判定された。また、成分自己申告制度が悪用されていると警告している。同研究グループはさらに300種の漢方生薬の分析を計画している。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 以前にも漢方薬の成分に問題があることは報じられたが、今回、カーティン、マードック、アデレードの3大学の研究者が一般的な漢方薬26種を分析した結果、90%が人間の服用に適しないと判定した。サンプルの半数にヒ素、鉛、カドミウムなどの有毒元素、重金属、バイアグラなど処方薬、エフェドリンなどの覚醒剤、殺鼠剤などの他絶滅危惧種動物のDNAまで含まれていた。そのいずれも成分表示されていなかった。漢方薬は何十億ドルという規模の産業であり、オーストラリア国民の半数が代替医療で用いたことがあると推定されている。

 研究グループは、感度の高いDNAシーケンシング、毒物、重金属検出システムを用いてサンプルを分析した。サンプルのブランドは明らかにされていないが、全国的に市販されている漢方薬をアデレードで購入したとしている。

 カーティン大学のマイケル・バンス教授らは、「この結果はショッキングだ。混入されていた物質は自然には存在しないまったくの合成物だった。また、安全量を超えた重金属が含まれているものもあった。サンプルの90%が人間の服用に適さないものだった。パラセタモールやイブプロフェンのような一般市販薬も含まれていたが、ステロイド、抗凝固薬ワーファリン、バイアグラ有効成分のシルデナフィルなども含まれていた。結果には驚いたが、漢方薬の効能をもたらすためにこういう物質を混入する詐欺ということも必ずある。エフェドリンは服用者が高揚した気分になり、その漢方薬がよく効くと思い込むようにしているのではないか。ストリキニーネは殺鼠剤に用いられるが、低用量だと運動能力向上作用がある。しかし、長期間服用し続けるとストリキニーネ中毒になる」と述べている。その他にも、ユキヒョウ、マムシ、カエル、ネコ、イヌなどのDNAも検出されたが、これが成分として加えられたものか、製造工程の衛生管理の貧困のためかは明らかではないとしている。

 この調査結果はNature Scientific Reportsに掲載されている。
■ソース
Heavy metals, pharmaceuticals and endangered species DNA found in traditional Chinese medicines, research finds

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