オーストラリア生まれの子供にNDIS出ず

ニュージーランド国籍の両親を理由に

 オーストラリアで生まれた子供でも両親がニュージーランド国籍や特別ビザの場合には全国障害保険制度(NDIS)の恩恵を受けられないという事態が明らかにされた。親はNDIS特別税納税を義務づけられていながら子供がNDISの対象外に置かれていることについて、障害者団体は、「制度の規定は差別行為」と批判している。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 この保険制度はジュリア・ギラード労働党政権期に試験期間を経て正式実施され始めている。NDISはオーストラリア国籍者と永住権保持者が対象になっているが、ニュージーランド人の多くが特別ビザ・カテゴリーでオーストラリアに在住しており、この保険制度の対象外になっている。それだけでなく、ニュージーランド人の両親がオーストラリア在住中に子供を得た場合、その子供は10歳になるまでオーストラリア国籍を取得することができないという規定があるため、10歳になるまではNDISを利用できない。

 ABC放送は、2008年にシドニーで未熟児で生まれ、その後、自閉症と診断されたトビー・ベンゼマンちゃんの例を紹介しており、母親のアンジェラさんは、「トビーは成長するに従って良くなってきている。24週間で生まれた時は助からないだろう、もし生き延びたとしても重度の障害を負うことになるかも知れないといわれた」と語っており、早期医療介入を望んでいるが、トビーちゃんは10歳にならず、したがって国籍も取得できず、したがってNDIS資格を持たないと言われた。ベンゼマンさんは、「家族はオーストラリア国税の一部としてNDIS特別税も払ってきたのにそのNDISの適用を受けられないというのは差別だ。トビーがこの社会で生きていくために支援が必要なのに、目の前でドアをバタンと閉じられたような気持ちだ」と語っている。

 ジョン・ハワード保守連合政権時代、ニュージーランド人が福祉目的でオーストラリアに来たり、両国以外の出身者がニュージーランドを飛び石にして福祉目的でオーストラリアに来ることを防ぐという名目で、ニュージーランドとオーストラリア両国間の特別ビザ保持者に対する待遇を厳しく制限する法制修正が行われた。もともと両国間には相手国の永住権を取らなくても、自国のパスポートだけで自由に住み、働ける特典があったが、その特典が逆に足かせになっている。

 一方、クリスチャン・ポーター障害者援助担当大臣のスポークスパーソンは、「NDIS資格外の障害者が不利益をこうむらないよう、NDIS外のプログラムなどで支援している」と発表している。
■ソース
New Zealand parents left ‘broken’ after Australian-born child denied NDIS access

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