「野宿者が都心から締め出されている」

慈善団体代表が視察で懸念表明

 シドニーの慈善団体エクソダス財団のビル・クリューズ尊師がシドニーのセントラル駅周辺などを視察し、「都心部浄化の名目で野宿者を都心から追い出しているのではないか」と懸念を表明している。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 セントラル駅周辺では、向かいのベルモア・パークに住む野宿者が多く、2015年7月にはシドニー市議会もテントが55張りあったと認めており、「テント・シティ」の別名があった。2月14日には12張りもないことが確認された。

 クリューズ尊師は、「大きな違いだ。百人を越える人々がどこかに移動したが、どこに行ったのか。ただ消えてしまった」と語っている。そのエクソダス財団はアシュフィールドの教会で毎日何百人もの人に温かい昼食を無料提供してきた。しかし、2015年12月から2016年1月にかけて保護を必要とする人達のグループが何の理由説明もなくベルモア・パークからアシュフィールドに移されてきた。人間を『捨てる』と言う言葉は使いたくないが、現実に起きた事件は、その人達がシドニー市からアシュフィールドに捨てられたとしか言いようがない。中には重度の精神障害を負っている人達もいて、食事や寝泊まりの場所を必要としている。シドニー市は野宿者問題を隠すために人々を追い出しにかかっているのではないかと思う」と語っている。

 一方、ミッション・オーストラリアは、「野宿者を他に移していることはないと語っており、むしろ、シドニー首都圏は安い宿がないため、野宿しなければならない人が増えている。そのため、慈善に頼る人も増えている」と語っている。

 また、クロバー・ムーア・シドニー市長も、「野宿者を追い出すことはしていない。単にもぬけの殻になったテントを除去しているだけだ。ベルモア・パークは危険な場所になってきており、市としては市民の安全を図ることも重要だ。未成年者が酔っ払い、成人と同じテントに寝泊まりしている例もある」と語っている。

 州警察はコメントを拒みつつも、「市と協力してパトロールし、テントの住民らに問題がないかチェックしている」と語っている。

 ムーア市長は、「シドニーは州内で唯一、野宿者対策部を置いており、過去3年間で400万ドルを支出してきた。公共の場の安全を図りつつ、困窮者には同情をもって当たるという方針を採っている。州政府こそ、公共住宅に入れない人々に寝泊まりする場所を提供するためにもっと努力すべきだ」と語っている。

 ベルモア・パークの住民達は、「出ていった者も多いが、みんな野宿者のまま、他の公園や長距離電車で夜を過ごすようになっただけだ。市役所がトラックで来て、テントに誰もいなければどんどん持ち去ってしまう。誰も自分たちのことを構っていない。ここから追い出そうとしているとしか思えない」と語っている。
■ソース
Sydney charity fears homeless are being driven out of CBD

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