「パワーハウス博物館を破壊するな」

実業家、著名人が移転反対の声

 シドニー市内アルティモのパワーハウス博物館をパラマッタに移転し、跡地を再開発向けに売却するというマイク・ベアード保守連合州政権の構想は、当初博物館関係者の反発だけで反応は薄かったが、次第に博物館・美術館関係者、パラマッタ市、州議会議員も反対の声を挙げ始めた。2月18日には実業界、著名人らも「パワーハウス博物館を破壊するな」との声を挙げた。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 ダーリン・ハーバーの裏手にある博物館は元火力発電所の建物をそのまま使っており、ダーリン・ハーバー、海洋博物館、スターシティなどのある区域のかつての産業地区の面影を残す記念碑でもある。

 ベアード州政権は、この博物館をパラマッタ市に移し、エンターテインメント・センター、見本市会場の建て替えが完成する時期に合わせて跡地を再開発向けに民間に売却する案だったが、移転候補地はすでにパラマッタ市が再利用を考えていた立地で、パラマッタ周辺地域選出の州議会議員も移転に反対を表明していた。

 18日の同紙は、「パワーハウスを破壊するな」との見出しで、ケート・ブランシェット、アンドリュー・アプトン、ボブ・カー、ジェフ・カズンズ、トレバー・ケネディ、エドマンド・ケーポン、ペネローペ・サイドラーら、実業家、建築家、芸術家、美術館博物館関係者、文化人など170人を越える著名人の署名を集め、博物館移転と跡地売却計画を廃棄するよう、州政府に求める公開状を掲載した。

 公開状は、アルティモのパワーハウス博物館は、州社会の貴重な投資であり、跡地を民間開発業者に売却することはその投資をムダに浪費することになるとしている。また、パワーハウス博物館を縮小してみすぼらしい形で移転することは愚行だとしている。代わりに、パラマッタには地域との協議を重ね、シドニー首都圏西部地域の歴史、業績、文化的多様性を反映した独自の施設をつくり、現在のパワーハウスと有機的に結ぶべきだとしている。

 また、同博物館の過去の館長らからは、博物館の財産は、その意義を認めて個人や団体から寄贈されたものも膨大であり、州政府が自由に処分できるものではない、とする声も挙がっている。
■ソース
‘Don’t Destroy the Powerhouse’: businessmen and prominent people tell NSW government

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