帳尻合わない100ドル札の行方

犯罪者、脱税者が貯め込みと専門家

 現行の100ドル貨幣(プラスチックの一種、マイラー製)は、発行枚数で2番目に多いが、ほとんど流通していない。専門家は、その謎について、「現在、世界的に高額貨幣を廃止する趨勢にある。オーストラリアの100ドル貨幣は犯罪者や脱税者が貯め込んでいるのではないか」と分析している。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 中銀(RBA)のウエブサイトによると、$100貨幣発行量は3億枚、$50貨幣が6億800万枚、$20貨幣が1億5,700万枚、$10貨幣が1億1,600万枚、$5貨幣が1億6,500万枚となっており、$100貨幣は$50貨幣に次いで2番目に発行枚数が多い。しかし、現実には$100貨幣を見ることも持つことも少ない。

 スインバーン大学のスティーブ・ワージントン・マーケティング准教授は、「$100貨幣は豊富にありながらATMに備えられることもなく、脱税者や犯罪者が取引用に貯め込んでいるのではないか」と分析している。さらに、「RBAは、$100貨幣を現実に出回っているよりはるかにたくさん印刷している。そうなれば、誰かが、取引の金の経路を突き止められないよう、高額貨幣で貯め込んでいると考えるのが当然だ」と語っている。

 さらに、ワージントン准教授は、「アメリカでもヨーロッパでも$100貨幣、500ユーロ貨幣を廃止するという提案は出ている。高額貨幣は一般犯罪者だけでなくテロリスト・グループの資金にも使われやすい」と語っている。最近のハーバード大学の調査でも上記2種の他、1000スイスフランク貨幣、50ポンド英貨幣も廃止すべきだとの勧告案が出されている。また、アメリカの1兆ドルにのぼる$US100貨幣はその3分の2が国外で流通していると試算されている。

 しかも、500ユーロは、その額面とサイズで犯罪界やテロリスト・グループの間でも人気があり、額面以上で売買されている。一方で、「高額貨幣を廃止しても、合法的な取引に対してはほとんど影響がなく、犯罪者には大きな影響がある」との分析も出ている。

 ワージントン准教授は、「これからは現金取引が減るだろうが、キャッシュレス経済になることはあり得ない。合法的に現金を好む人も大勢いる。$100貨幣がそういう人に貯め込まれていることもあり得る」と語っている。
■ソース
Dirty money: Australia’s missing $100 bills in hands of criminals, tax cheats, expert warns

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