シドニーの野宿者向け診療所閉鎖に

野宿者増加なのに連邦予算をばっさり

 シドニー都心部ダーリングハーストに過去40年間、野宿者の健康と医療に携わってきた診療所が連邦政府の運営資金をばっさり打ち切られたため、4月に資金が尽きればドアを閉じなければならなくなると報道されている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 シドニー市役所の調査でシドニー市内の野宿者人口が増えていることが明らかにされている。一方、ダーリングハーストのヘイマーケット・クリニックは、医師、看護師、福祉ワーカー、心理学者などが野宿者の医療、シャワーを提供、また、郵便私書箱の役割も果たし、とりわけ、予防接種、抗生物質処方、健康教育も行い、ドラッグ、アルコール治療機関への紹介状発行も行ってきた。このクリニックには毎日20人ほどが医療を受けに来る他、60人ほどがシャワーや郵便物受取りに来る。

 しかし、クリニックを運営するヘイマーケット財団は、2015年度連邦期中経済財政見通し発表時にクリニックの運営資金90万ドルを切り捨てられた。99万ドルの一時金支給を受けたが、その後の資金源は見通しが立っていない。

 クリニックは、1974年にセントラル駅に近いヘイマーケットにキャラバンを停めてサービスを始めたがやがてダーリングハーストのパーマー・ストリートのテラス・ハウスに診療所を開くまでになった。

 連邦保健省は、「州、地方自治体の出資や公立病院、医療機関、慈善団体などが類似の事業を行っている」と発表している。また、ヘイマーケット財団は他にも野宿者その他の社会的弱者向けの事業を行っており、NSW州政府が200万ドル、連邦政府が30万ドルを出資している。

 しかし、クリニックのスタッフは、「延べ年間1,200人が来院し、医師、看護師、福祉ワーカーのサービスを受けている。ここを閉めれば彼らはどこに行けばいいのか?」と案じている。また、NSW州野宿問題のキャサリン・マクカーナンCEOは、「クリニックはこれまで一貫して野宿患者の医療的世話をしてきており、一人一人のことをよく知っている。そのことが大きい。クリニックが閉じれば野宿者の生活に大きなプレッシャーになるだろう。野宿者はいくつもの機関を訪れ、同じ話を何度も繰り返し説明しなければならなくなる」と語っている。
■ソース
Haymarket health clinic for Sydney’s homeless set to close after funding cut

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