「エッフェル塔やハーバー・ブリッジ同様」

NT大臣発言でウルル登山問題再燃

 ウルル(旧名エアーズ・ロック)は、この土地の後見人である地元アボリジニの人達にとっては聖地であり、その聖地に登ることはこれを足の下に踏みにじる行為と考えている。そのため、これまでも立て札で、なるべく登らないようにと呼びかけるだけで、登山禁止措置はしてこなかったが、「登山禁止」を求める声は常にある。その問題が、北部準州(NT)自治政府のアダム・ジャイルズ主席大臣の発言で再度燃え上がった。

 4月19日のNT自治議会でジャイルズ主席大臣は、「ウルル登山を許可することは有益であり、エッフェル塔やシドニー・ハーバー・ブリッジに登らせるようなものだ」として、地元アボリジニに対して、登山反対を撤回するよう求める発言を行った。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 2010年の労働党連邦政権期に政府は、「登山に代わる新しい観光体験ができるか、ウルル観光客が20%未満に落ちるか、文化的・自然的体験がウルル観光客の主要動機となった時にはウルル登山を永久に禁止するとしていた。

 しかし、オンライン・ソーシャル・メディアでは、ジャイルズ発言に反対する意見が殺到しており、元ウルル・ツアー・ガイドのトレバー・リアマンさんは、「登山は長時間かかり、途中にトイレがないから聖地の岩山で用を足す人も多い。雨が降るとどうなる? 岩肌を流れ下って、汚物が麓の岩のたまり水に注ぐんだ」と語っている。

 ツアー・ガイド達は、「登山を禁止しても観光客は減らない」と語っており、アリス・スプリングズからウルルまでのロック・ツアーを催行している観光企業のジョー・ジョージ取締役も、「ジャイルズ大臣は、発言をする前によく勉強した方がいい。登山を禁止し、ツアー・ガイドやツアー会社がウルルにまつわるアボリジニの話を学べばこの岩に対する感動も強まるというものだ」と語っている。

 2015年、何者かがウルルの登山用の鎖を切断した。地元アボリジニの長老達はその行為を称賛し、「英雄だ」と語っている。

 しかし、ジャイルズ発言を支持する者もいて、「登山する人達も岩山に対する敬意を持っている。頂上からの眺めでさらにその気持ちが強まる」と投稿した者もいる。
■ソース
Uluru climb controversy: Social media, tour guides reject Giles’ comments

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