NSW州政府、グレイハウンド・レース禁止決定を発表

動物虐待スキャンダル続きのグレイハウンド界に激震

 ABC放送の時事番組「Four Corners」が、内偵を進め、グレイハウンド・レース界で競走訓練のおとりに生きた子豚やポッサムを縛り付けて使っていたことを暴露、グレイハウンド・レース界に厳しい眼が向けられるようになり、その後もスキャンダルが続き、ついに7月7日、マイク・ベアードNSW州首相は、「2017年7月1日より州内のグレイハウンド・レーシングを禁止する」と発表した。ベアード州首相は、「動物虐待が蔓延しており、見過ごすことはできない」と語っている。オーストラリア国内では、グレイハウンド・レースを禁止するのはNSW州が初めてとなる。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 州政府の決定は、マイケル・マクヒュー元高裁判事を委員長とする特別調査委員会が設立され、グレイハウンド・レース界を調査した結果、不要になったグレイハウンド犬の大量殺処分や中国の非合法競犬賭博への輸出など様々な違法行為を突き止められた。ベアード州首相は、「政府としては、グレイハウンド・レース界そのものを廃止する以外に手だては残されていない」と語っている。

 また、「Four Corners」が放送される前には、NSW州グレイハウンド・レース界の幹部が、おとりに生きた小動物を使う慣行をごく一部の行為と見せかけるように働きかけていたことが内部文書で明るみに出た。委員会の調査報告はグレイハウンド・レース界が短期にも中期にも自己浄化や改革の能力がないとの政府決定を引き出し、1年でグレイハウンド・レース産業を解体することになった。

 グレイハウンド・レース産業はグレイハウンド犬のブリーディングや公認賭博の収益などが莫大な規模であり、経済活動重視のベアード保守連合政権がこのような劇的な決定を下すことはほとんど予想されていなかった。また、今後、この産業の雇用や個別事業廃止の補償など問題は山積している。

 調査委員会は、過去12年間に48,000頭から68,000頭、レース用に飼育された犬の半数が競走能力がないとして殺処分されており、年間180頭の犬がレース中に重傷を負い、死亡に至っているなどの事実を報告していた。

 一方、レース業界はすでに徹底抗戦の意図を明らかにしており、また、ベアード政権ではなく、最初に違法行為の蔓延を暴いたABC放送の「Four Corners」を目の敵にする発言も出ていることが伝えられている。
■ソース
Greyhound racing to be banned in New South Wales, Baird Government announces

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