核問題特別調査委員会市民陪審団が安全性危惧を表明

高濃度放射性廃棄物最終処理場に社会的危機感

 7月10日のABC放送(電子版)は、SA州に高濃度放射性廃棄物最終処理場を建設する案に対して、州民からランダムに選ばれた50人の市民陪審員などで構成された核問題特別調査委員会が、ジェイ・ウェザリルSA州首相に最終報告書を提出した。

 市民陪審団は、安全性を最大の問題として懸念しており、「州民が情報に基づく意思決定を行うためにはさらに研究調査が必要になる」としている。

 この報告書に先立って、SA州では4日間をかけて、放射性廃棄物最終処理場建設案に賛成反対双方の専門家を交えて熱気のこもった討議が行われた。

 このような国家規模の放射性廃棄物最終処理場構想は何十年も前からあり、SA州の奥地が有力候補地とされてきた。報告書は、「市民陪審員は、処理場設置で経済的利益があることを認めているが、かなりのリスクも考慮しなければならないと判断した」としている。

 市民陪審団は、今年調査結果を提出した「Nuclear Fuel Cycle Royal Commission」が提起したもので、12項目の勧告を盛り込んだケビン・スカース・コミッショナーの報告書は、放射性廃棄物最終処理場設立や連邦の原子炉規制緩和などを挙げている。また、2月に提出された調査結果では世界の原子炉の使用済み核燃料138,000トンを収容する最終処理場建設を勧告している。

 しかし、今回、市民陪審員は9ページの資料に、信頼と説明責任性、経済的利益など4項目のテーマを掲げ、今後はこの4項目を中心に論議しなければならないとしている。また、安全性も重要課題として、「考慮しなければならないリスクとして、地理的要因、地震、テロ、健康衛生、運輸その他様々なものがある」としている。

 また、「SA州に提案されている処理場は、まだ世界のどこでも稼働していないが、フィンランド、スエーデン、フランスで開発が進められている」と述べ、経済利益見通しはまだモデリングに依存していると述べている。

 今月末から3か月にわたり公聴会を開くことになっており、報告書は、「SA州に処理場ができた場合、観光や貿易にどのような影響があるか、などいくつかの疑問を呈している。
■ソース
Nuclear royal commission: Citizens’ jury questions safety concerns surrounding dump proposal

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る