北部準州の少年刑務所で長年看守の暴力虐待行為

大臣も見て見ぬふり、ABC放送時事番組がビデオ公開

 7月25日夜、ABC放送の時事番組「Four Corners」で、北部準州(NT)の少年刑務所の複数の看守が長年にわたって特定の少年に集団で暴力や虐待行為を繰り返していたことが、刑務所のCCTVビデオ・フィルムの証拠を含めて明らかにされた。

 また、同番組では、被害者の元収容者、ディラン・ボラーに対する刑務所看守の集団暴行・虐待行為に対する捜査が行われたことを伝えている。

 集団暴行・虐待は2010年から2012年までの間、アリス・スプリングスとドン・デール少年刑務所で起きており、看守3人で床に押さえつけて衣服を無理矢理はがしたり、手足を縛ったり、首筋をつかんで吊るし、床に投げ飛ばすなどの暴力行為に加え、長期にわたって独居房に押し込めるなどしている。また、騒いだ収容者に催涙ガスを吹きつけ、さらに騒ぎに加わらなかった少年2人にも催涙ガスを浴びせ、その後、床に押さえつけた少年にホースで水を浴びせるなどの行為がすべてビデオで放映された。

 看守の行為は、NTの児童福祉委員会のハワード・バス・コミッショナーが捜査し、2012年に報告書を政府に提出したが、遂に一度も公開されず、議会に提出もされなかった。バス博士は、「少年刑務所制度の改善勧告を出したが、その後の2014年に催涙ガス事件が起きており、まったく改善された形跡がなかった。

 ボラー氏は18歳になった現在、ダーウィン刑務所に服役しているが、「Four Corners」に対して、ビデオの放映を許諾した。弁護を担当しているピーター・オブライエン弁護士は、「CCTVのビデオで依頼主が長年にわたって看守の攻撃を受け続けてきたことが証拠立てられている。彼は、こんなことが他の少年達に起きないことを願っている。

 看守らはすでに3件の事件で起訴されたが、NTの少年犯罪法の条項に基づいて無罪判決を受けている。人権法律センターのルース・バーソン事務弁護士は、「ビデオは、この問題に直ちに行動することとNT政府の透明性を高めることが必要であることを証拠立てている。政府はこの問題を押し隠し、社会に気づかれないように徹底してきた。オーストラリア国内でこのような事件を目撃した人間はそれほどいないと思う」と語っている。

 「North Australian Aboriginal Justice Agency (NAAJA)」のジャレッド・シャープ事務弁護士は、「このビデオを見て特別調査委員会設立は必要ないというなら、何であれば特別調査委員会が必要になるのだろう。このような暴力と虐待を体験した少年らが訴えてこないとしても少しも驚かない」と語っている。
■ソース
Repeated victimisation of boy in NT youth detention centres exposed in footage obtained by Four Corners

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