オーストラリアン紙のマンガ、先住民族から人種差別の非難

北部準州の少年院での看守による暴行・虐待問題直後

 8月4日付ニューズ・コープ系全国紙オーストラリアン紙が新聞マンガ家、ビル・リーク氏のマンガを掲載したが、NSW州アボリジニ土地会議が、このマンガをオーストラリア先住民族に対する攻撃として、オーストラリアン・プレス・カウンシルに訴え出た。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 このマンガは警察官がアボリジニの少年の首筋をつかまえ、アボリジニの男に対し、「じっくり腰を下ろしてお前の息子に個人の責任について教えてやれ」と発言している。それに対して、ビール缶を持ったアボリジニの男が、「分かった。で、その子の名前は?」と答えている。8月4日は、アボリジニやトーレス海峡諸島人のこどもの日にあたる。

 VIC州アボリジニ託児所エージェンシーのミュリエル・バンブレットCEOは、「このマンガは、アボリジニが自分の子供の名前さえ知らず、子供を育てる役割さえ知らない人々のように描いている。このような人種差別は日常的に直接的・間接的に行われている。メディアには社会に対する責任があると思う。しかし、現実には常に私達を二級市民のように描いている」と語っている。

 一方、オーストラリアン紙のポール・ウィテイカー編集長は、このマンガの掲載を擁護し、Latelineというテレビ番組において先住民族リーダー、ノエル・ピアソン氏が発言した、「アボリジニは、自立し、子供達の責任を持たなくてはならない。」という内容を引用した。また「オーストラリアン紙は長年にわたって先住民族問題で重要な議論に関わってきたことを誇りにしている。人々は根本的な難しい原因から眼を逸らしがちだが、ビル・リークは違う。彼はあからさまに問題を提起し、人々に考えることを余儀なくしている」と語っている。

 NSW州アボリジニ土地会議は、ロイ・アーシー議長が、「まったく恥知らずなことだ。全国紙のオーストラリアン紙がこんなアボリジニを侮辱するマンガを載せるとは信じられない」と語り、オーストラリアン紙は先住民族問題で重大な問題を報道してきたが、このマンガは行き過ぎだ。誰のためにもならないどころか、人種差別心情をかき立てるばかりだ」と語っている。

 リーク氏のマンガは、2006年にもウエスト・パプア問題でオーストラリアとインドネシアの政府の間に問題を引き起こしたことがある。
■ソース
Bill Leak cartoon in The Australian an attack on Aboriginal people, Indigenous leader says

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