労働力派遣会社、バックパッカーにたこ部屋労働強制

雇用を条件に劣悪な宿舎に法外な宿泊料徴収

 海外からオーストラリアを訪れているバックパッカーをだまし、農場での仕事を条件に劣悪な宿舎に寝泊まりさせた上に法外な宿泊料を天引き、しかも賃金は法定最低賃金の半額以下しか支払わず、苦情を言うと解雇する違法行為が、ABC放送の「Four Corners」で暴露されたが、1年経った今も同様の搾取が続いていることを伝えている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 搾取に利用されているのはサブクラス417というワーキング・ホリデー・ビザで、2年目も引き続いて417ビザでオーストラリアに滞在を望む者は、農業地帯の植物栽培、動物飼育、漁業、真珠、植樹、伐採、鉱山、建設などの業種で88日間以上働いた実績を雇用主の署名で証明しなければならないという条項のため、ワーキング・ホリデーの旅行者は雇用主に対して弱い立場に立たされている。

 さらに、2015年8月には、連邦政府が、「417ビザ延長には$17.70の最低賃金に適合していることを示す給与明細書を提出すること」を義務づけた。

 しかし、現実にはワーキング・ホリデー・メーカーを劣悪な宿舎に収容した上、宿泊料として週に何百ドルも天引きした上にわずかな時間しか働かせない雇用主がいるとの苦情が出ている。ABCが報道したケースでは宿泊料を週に$240天引きしており、たまりかねた者が宿舎を出ると雇用契約無効で脅されている。また、ABC放送はそのような労使契約書も確認している。

 農家側は、労働力派遣業者のこのような行為を問題視しており、ロッキヤー・バレー・グロワーズのアンソニー・スターツ会長は政府に対して労働力派遣業界は農業であろうと他の産業であろうと労働者搾取が氾濫している。政府が責任を持ち、労働力搾取を防止する有効な法制と管理体制を導入すべき時だと語っている。

 イギリスから来た、ソフィー・フェリアーさんの場合、果実摘みで時間給$21の仕事を契約した。雇用条件として農場の宿舎に寝起きし、宿泊料として週$120を支払うことが決められていた。その結果、フェリアーさんは3か月の間にわずか28日分の農場の仕事を与えられただけだった。3か月後に、フェリアーさんは$2,000の持ち出しでしかも90日の間にわずか28日しか消化できなかった。ソフィーさんは、「仕事がないのに大勢の人を雇うのは、週$120の宿泊料を取り立てることが目的だからだ。しかも、仕事に就く前に$250の保証金を取られ、契約期間が終わる前にやめると$250を没収されるのだった」と語っている。

 また、ABC放送は、Fair Workオンブズマン(FWO)や宿舎の安全性を監督するQLD消防緊急救援局(QFES)でも搾取の事実をつかんでいることを伝えている。また、全国農業連合会(NFF)の広報担当者は、「個々のケースについてはコメントできない。賃金や労働条件の苦情はFWOに連絡するよう勧めている」と答えている。
■ソース
Backpackers ‘manipulated into staying in expensive substandard housing’ to have farm work signed off

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