25年間の経済成長でも貧困者が減らない謎

福祉支給切り詰め、住宅価格高騰も打撃

 Social Policy Research Centreの報告によると、2004年度にはオーストラリア全国民の11.8%が貧困線以下だった。2014年にはそれが12.6%に上昇してる。オーストラリアは25年間の経済上昇を続けており、過去にこれほどの繁栄を見たことはなかったとされているが、困窮者人口は拡大しており、住宅価格高騰による賃貸料上昇や連邦政府の福祉切り詰めが大きな打撃になっている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 西側諸国にも25年間断絶なく経済成長を続けた国はそれほどないが、それにもかかわらず貧困率は下がらず、逆に上昇している。

 メルボルンのセント・ビンセント・ド・ポール・ソサエティのボランティア、マリア・ダウリングさんは、低所得世帯に食料その他の支援をする世帯訪問プログラムで働いており、「どこでも貧困が現実にあり、ますますひどくなっている。困窮者のニーズは大きく、豊かな社会との隔たりは大きくなるばかりだ」と語っている。

 ある世帯の場合、2週間に一度の年金$520の大部分が家賃に消える。また、公営住宅は全国に32万戸あるが、住民にとって一番影響が大きいのは、失業手当、扶養家族手当、障害者サポート年金など福祉給付の縮小削減で、しかも公営住宅入居を8年間待つ人もおり、報告書には、公営住宅に住んでいても福祉金では満足に食事もできない生活が描かれている。

 しかし、Institute of Public Affairs (IPA)のような自由市場主義シンク・タンクは、Social Policy Research Centreや福祉団体の見方と対照的で、IPAのサイモン・ブレヘニー政策部長は、「国民の生活は10年、あるいは20年前と比べても良くなっている。社会の最低収入の人々も冷蔵庫、電子レンジ、車、テレビ、X-boxが買える時代になっている。素晴らしいことだ。貧困線は国民の所得中央値の50%という設定だから、全体の所得が上がれば最低線も上がるから、貧困線未満の人でも暮らしは良くなっているはず」と語っているが、個々の貧困世帯を見て語っているわけではなさそうである。(Ratei)
■ソース
Poverty in Australia: We’ve never been richer, so why hasn’t the poverty rate budged?

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