旧シドニー中央郵便局舎、シンガポール富豪に売却

NSW州首相、連邦大臣ら、暗黙の支持

 先にフェアファクス・メディアは、「オーストラリア郵便がシドニー都心部マーチン・プレイスにある旧シドニー中央郵便局舎を1億5,000万ドルでシンガポールの富豪に売却した」ことを報じた。シドニー市長や議員の一部はこの歴史遺産登録建造物を海外資本に売却することに反対の声を挙げており、マルコム・タンブル連邦首相の介入を要求している。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 クロバー・ムーア・シドニー市長は先に売却反対の声を挙げていたが、さらに歴史建築家のフィリップ・タリス・シドニー市議も、売却によってオーストラリアの重要な歴史建造物が海外資本の手にわたることに対して反対を明らかにした。

 一方、グラディス・ベレジクリアン州首相は、ムーア市長の反対意見に、「それは彼女の意見でしょう」と応え、建造物を公共財産とすることを支持するつもりはないと言明した。

 旧局舎をロバート・ヌとフィリップ・ヌに売却する取引は秘かに進められており、オーストラリア郵便が委託して行わせた歴史遺産報告書でも売却を危惧する内容だったがオーストラリア郵便はこれを隠していた。

 売却取引は今後連邦歴史遺産局の承認を待っているが、オーストラリア郵便もAhmed FahourCEOの巨額の役員報酬が問題になり、辞職している。

 5月初め、オーストラリア郵便は、管掌大臣の連邦政府のミッチ・ファフィールド通信相とマシアス・コーマン蔵相には売却を通告しているが、両大臣は売却阻止の言動はまったくしておらず、ベレジクリアン州首相と同じく、売却に対して暗黙の支持を与えている。

 歴史建造物の登録保護を行っているナショナル・トラストのクライブ・ルーカスNSW州支部会長は、この売却について、「とんでもない醜聞であり、悲劇的だ」と語っている。また、オーストラリア郵便がLucas Stapleton & Johnsonに委託した遺産調査報告書でも、「売却あるいは建造物の場所をオーストラリア国民から疎外することは非常に望ましくない」と述べており、オーストラリア郵便はこの報告がオーストラリア国民の目に触れることを避けた。

 また、オーストラリア郵便は、「建物の価値は損なわれない」としているが、ヌ一族の会社の計画では旧局舎内を現在よりさらに商業不動産化するための大々的な改造が含まれている。
■ソース
Gladys Berejiklian washes hands of secretive $150m Sydney GPO sale to billionaires

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