マーティン・プレイスのテント村、住人が自主撤去

新法下の強制執行目前に行くところもなく

 シドニー都心部マーティン・プレイスに2016年12月からたくさんのテントが並び、ボランティア市民の炊き出しも行われ、ホームレスの人々が共同生活していた。しかし、公共空間を長期的に占拠することで一般市民の利用を妨げる、また衛生施設の完備しない場所での大勢の長期生活で不潔になっているなどの理由で6月にはシドニー市がテントの撤去を命令し、一旦は撤去されたが、その後、行き場がない、寄り集まることで身を守れるなどの理由で再びテント村が広がった。

 その後、シドニー市のクロバー・ムーア市長と州政府のグラディス・ベレジクリアン州首相との間で互いに責任の追及が続いていたが、州議会で、州政府に対して公共に許容限度を超えた不利益を与える者や物を撤去する権限を与える法律が可決されたため、8月11日、強制撤去を目前にテント村住民が自主的に撤去・撤退した。

 ムーア市長はテント村撤去の権限を持っているが、「住民に代替の宿泊所が提供されない限り、強制撤去はしない」としていた。

 この日、自然発生的にテント村村長と目されるようになったランズ・プリストリーさんは、「争いで誰もケガしてほしくない。自分たちは住むところはないが文明人だ。住民は自発的に撤去することにした。しかし、テント村を撤去しても多くの住民には行くところがない。これまで通り、市内のあちこちに分散して暮らすようになるだけだ」と語っている。

 州政府のプル・ガワード公共住宅担当大臣は、「誰もテントで寝る必要はない。支援はある。マーティン・プレイスで家族社会福祉省に相談し、資格を認定された者には宿泊所が提供されている」との声明を発表している。

 8月13日朝には、何万人もの人が参加する「シティ・トゥ・サーフ」競走がマーティン・プレイス近くから出発するため、12日には完全にテント村の片付けが済むことになっている。
■ソース
Tent City: Sydney’s most controversial homeless settlement pack up in Martin Place

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