VIC州首相、医師管理の薬物注射室開設を発表

違法薬物過剰摂取死亡事故多発への対策

 10月31日、VIC州労働党政権のダニエル・アンドリュース州首相は、メルボルン市のノース・リッチモンド地区に医師や看護師を備えて管理する薬物注射室を設置すると発表した。同州政府は2017年初めに「医師管理下の薬物注射室はつくらない」と否定していた。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 ノース・リッチモンドはシドニーのキングス・クロスのような歓楽街ではないが、メルボルンで薬物過剰摂取事故が多発している地区で、アンドリュース州首相の記者会見中に立ち会っていた救急隊が近くで発生した薬物過剰摂取事故に出動する一幕もあった。

 21世紀に入って間もなくキングス・クロスに薬物注射室が開設された。地元経済界の反対があったが、試験期間の後、これまでに250人を超える人命がこの医師管理薬物注射室のために救われたという統計数字から政府がさらに注射室の予算を継続することを決めたといういきさつがある。

 リッチモンド地区はメルボルンのCBDから鉄道または市電でわずかな距離にあり、住民は大学生、CBD勤務労働者、高齢夫婦や家族などとなっている。住宅構成も100万ドルを超えるヘリテージ住宅建築もあれば高層公共住宅もある。しかし、この地区の北端部はヘロイン売人と客の出没する地区になっており、ビクトリア・ストリートに近い4ブロックだけで1年間に34人が薬物過剰摂取で死亡している。また、地区でカフェを営むベトナム人は、「駐車場に注射器がいっぱい落ちており、カウンシルに連絡して掃除してもらわなければならないほどだ。医師管理の注射室ができるのはいいことだ。薬物を射ちたい人はそこに行けばいいんだ」と語っている。

 ノース・リッチモンド・コミュニティ・ヘルス・センターでは月に88,000本の清浄な注射針を提供していると推定しており、2017年前半6か月だけで周辺地区での薬物過剰摂取事故に37回出動している。

このセンター内に注射室が開設されることになっており、隣にはリッチモンド・ウェスト小学校があるが、ポール・レドウィッジ校長は開設を支持し、「設備ができれば路上での注射や売買が姿を消すだろうし、センターも小学校に影響がないよう配慮してくれると思う」と語っている。マーチン・フォリー保健相は、「小学校の校庭で薬物中毒の死者が出ている。また、校庭に注射器が落ちていることがあり、子供がケガをしている。そういう事故をなくすことが設立の意図だ」と語っている。
■ソース
North Richmond: Melbourne’s heroin epicentre, just a short trip from the CBD

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る