QLD、NSW州で安全な交通標識の実用化始まる

衝突で標識がフロント・ガラス突き破る死傷事故に

 2014年、QLD州北部のタウンズビル付近で乗用車が交通標識に衝突し、標識がフロント・ウィンドウを突き破り、乗っていた29歳の女性が死亡するという事故が起きた。

 この事故の写真を見たQLD運輸幹線道路省のエンジニア、ジョン・スパソニス氏は衝突時に安全な交通標識の開発を考えた。

 スパソニス氏と同僚は、交通事故時に衝撃で標識が折れて柱が槍のようにフロント・ガラスを突き破り、乗員を死傷させる「サイン・スピアリング」と呼ばれる現象について調査した。

 「最近何年間かに3人がサイン・スピアリングで死亡しており、その他に1件の重大事故になっている。QLD州では年間250人の交通事故死者が出ており、サイン・スピアリングは問題にされていなかった。NSW州運輸局に問い合わせてみたところ、NSW州でも同じような事故が起きていることが明らかになった」と語っており、NSW州運輸局も安全な標識開発プロジェクトに参加することに同意した。

 しかし、この分野の研究はまだほとんど行われたことがなく、基礎的な情報さえまだ整っていない状況で、スパソニス氏も「NSW州の衝突研究所でも自動車を様々な障害物に衝突させる実験は行ってきたが、自動車を標識に衝突させる研究は行ったことがなく、また、世界のどこでも行われたことがない。そのため、私達は一から始めなければならなかった」と語っている。
 2年間の研究の結果、「エンジニアは、標識が柱を滑って柱がむき出しになることを防ぐため、取り付けのブラケットと留め具を強化するという簡単な方法を考えついた。すでにある標識に手を加えるだけだから、改造キットにすることでどこの地域でも改造キットを注文するだけで改造できるようにした。また、この情報もすべて当局内や地方自治体、標識メーカーなどに配布している。また、QLD、NSW以外の州、ニュージーランドにも研究の成果を広めている」と語っている。

 QLD州政府は160万ドルの予算を計上し、ハイリスク地域の標識から改造していき、2019年中期には完了する見通しになっている。
■ソース
Safer road signs designed to reduce risk of signs ‘spearing’ into windscreens in car crashes

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