シドニー首都圏の逆転層に野焼きの煙立ちこめる

呼吸器系疾患の人は外出を避けるようにと勧告

 5月29日早朝からシドニー首都圏の空には煙が立ちこめている。この秋、すでに何度か煙の漂う日が続いているが、この日は一段と煙が濃く、呼吸器系疾患専門家は、喘息その他の呼吸系疾患患者や高齢者は外出を避け、できるだけ屋内にいるよう呼びかけている。

 この煙はシドニー首都圏西部以西で次のブッシュファイア・シーズンに備えて森林の下生えや草原の草を燃やし、シーズンにブッシュファイアの燃料となる枯れ草を減らすために行われているもので、煙はシドニー盆地特有の逆転層のため、海上に吹き払われず、シドニーとブルーマウンテンの麓の間に停滞している。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 この5月には「低」大気質の日が11日あった。そのうち、29日を含めて6日が「有害」とされており、高齢者、児童、心肺疾患のある人は屋外での活動を避けるよう、またその他の人も屋外活動を減らすよう勧告が出ている。

 5月28日にはシドニー北西部で大気質レベル677という値が記録され、「有害」レベルの警報が出された。29日朝にはレベルは476になっていた。また、午後2時頃には都心部では見通しも良くなっていたが、北西部、南西部では依然として「有害」レベルが解除されなかった。

 そのため、NSW州救急隊では、喘息発作や呼吸困難を訴える通報が急増したと報じている。午後2時30分までに首都圏47地区で53件の通報があり、先週比較で75%の増加になっている。

 被害が特にひどかった地区は、シドニー南部のマスコット、グレイステーンズ、ピークハースト、グレンフィールドなどだった。

 野焼きは郡部消防局(RFS)が実施しているが、煙がどの方向に流れるかは予想できず、NSW州環境遺産局が1時間ごとに大気質測定結果をSMSや電子メールで発信している。

 木の燃える煙はPM2.5粒子となって肺の奥まで浸透し、血流にも入り込む。そのため、大気質エネルギー保健研究センター(CAR)のデータによれば、シドニー首都圏では過去12年間で200人の死因となり、1,200件を超える入院の原因になったとされている。そのため、CARでは、保健、環境、消防当局の協力関係を緊密にするよう求めている。
■ソース
Sydney smoke: Why the city is blanketed, and whether it’s dangerous

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