NSW、VIC州でリステリア死亡患者2人発生

燻製サーモンに重大な容疑、業者は否定

 リステリア菌というのは食中毒を起こす菌であるが、他の食中毒菌と異なり、冷凍、塩漬けに強いという特徴がある。最近、VIC、NSW両州でリステリア菌中毒患者2人が死亡している。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 QLD州でも1人がリステリア食中毒と診断されたが患者は生存している。政府の主席医務官は、患者がいずれもTAS州産の燻製サーモンを食べていることや70歳を超える高齢者で基礎疾患があったことなどから、食物の調理・保存には厳重に注意することや免疫系の弱っている人は燻製海産物は避けるよう呼びかけている。

 リステリア食中毒は食中毒の中でもとりわけ厳しいもので、症状として、発熱、頭痛、筋肉痛その他の痛み、吐き気、下痢などから、さらに、新生児、高齢者、疾患や治療で免疫系の弱っている患者では浸潤性リステリア症になると重篤で致死率が高くなる。

 国内のサケ製品はほとんどがTAS州の養殖場の産であり、問題の燻製サーモンもTAS州産とみられている。元々、サケにはリステリア菌が棲み着いており、健康な者は発症しないが、高齢者、基礎疾患患者、妊婦などでは通常程度の菌レベルでも致死的になる場合がある。

 2018年初めにはNSW、VIC、TAS、QLD各州でロック・メロンからリステリア食中毒が広がっており、7人が死亡した他、流産も1件起きている。この大量食中毒で一時は店頭からロック・メロンが姿を消す騒ぎになった。低温に強いため、冷凍シーフード、果実、柔らかいチーズ、加工食肉、スプレッド、ソフトクリーム、未滅菌乳製品などでリステリア菌が繁殖しやすい。

 TAS州産燻製サーモンが疑われているが、TAS州政府のウィル・ホジマン首相が声明を発表し、「州内のサケ養殖業者は食品安全法制遵守が確認されている」と述べており、同州の2大サケ生産企業、タッサル社、ヒュオン・アクアカルチャー社およびさらに規模の小さいペテュナ社もいずれも外部の複数の監査を受けており、いずれも製品とリステリア食中毒とは無関係と発表している。

 また、燻製サーモンの国内消費量の約半量は輸入、タッサル社が約30%、ヒュオン社が約20%のシェアを占めており、ペテュナ社はごくわずか。
■ソース
Smoked salmon likely behind listeria deaths in NSW, Victoria

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