整備士組合は、「もっと前に点検すべき」
2月5日、シドニー空港のカンタス航空航空整備士が、同社のA380型機の検査中に主翼にヘアライン(微細な)ヒビ36箇所を発見した。これを受けて、同社は、同機を運行からはずした。
一方、同社は、「このヒビはメーカーのエアバス社が同型機を所有するすべての航空会社に検査を指示した問題のヒビほど深刻なものではない」と発表している。
エアバス社では、2012年1月に機体のヒビを発見しており、ヨーロッパの航空安全官庁が、世界中にある同型機のほぼ3分の1を6週間以内に点検するよう指示した。
カンタス社でも、エアバス社指示対象となったヒビをこれまでに2機のA380ダブル・デッキ型で発見している。カンタス社が独自に発見したヒビは長さで2cmにもならず、同機が1月7日にロンドンからシンガポールに向かう途中、インド上空で激しい乱気流に突入したために実施していた検査で見つかったもの。同社のスポークスパーソンは、「ヒビは乱気流とは関係がなく、むしろ、エアバス製造工程に結びついている」と発表した。
カンタス社は、ヨーロッパからの指令に基づき、A380型機全機の点検を行うとしているが、航空整備士組合は、「この点検はもっと早くにやっておくべきことだった」と発表している。同社は、スーパージャンボを12機所有しており、欧州航空安全局(EASA)の指示に基づき全機の翼内部品の構造的破損を全機点検する予定。
EASAは1月に、20機の「詳細な目視検査」を指示したが、現在では68機全機に広がっている。カンタス社のスポークスウーマンは、「当社はEASAの指示に全面的に従う。今後1,2週間のうちに点検を始める」と発表した。
しかし、オーストラリア航空整備士労働組合(ALAEA)のスティーブ・パービナス全国書記長は、「点検が必要ならもっと早くにやるべき。問題は、翼の前後方向に入っているリブと上下の外被を固定している金属ブラケットにヒビが入っているというもので、A380型機には何か月か前から発見されていた。当組合でも2か月前から点検するよう会社に要求してきた。このようなヒビが徐々に大きくなることを知るのに2か月もかけることはない。しかも、指示が出た今、一刻も遅らせることではない」と会社の態度を批判している。(AAP)
