療養センターで女性障害者放置

訪問した家族が発見、訴訟も検討

 シドニー首都圏南西部の療養センターで女性障害者が一人で放置され、顔や体にアリがたかりほうだいになっているのをたまたま訪問してきた女性の家族が発見した。政府は事件を調査しているが、家族は政府の責任を追及する用意を明らかにしている。

 問題のリバプール療養センターはNSW州政府の運営する施設で、2月6日夕刻、入院しているアヤト・アレーダネさん(20)の家族が、アヤトさんを喜ばせようと予約なしでセンターを訪問した。アヤトさんは脳性マヒ、失語症、四肢マヒを患っている。家族が施設を訪れた時には、アヤトさんは一人で放置され、食べ物が口の周りにこびりついており、アリがたかっていた。

 アヤトさんの父親、アデルさんと妻のナワルさん、アヤトさんの兄弟のモハマドさんはサーカス見物にリバプール地区に来ており、療養センターを訪問したもの。アデルさんは、「看護師に娘の居場所を尋ねた。庭にいるというのでドアを開けて庭に入ったところ、娘が泣き叫び、周囲には誰も娘の介護をする者もいなかった」と語っている。さらに、「家族はアヤトさんの顔に食べ物がこびりついて乾き、アリがたかっているのを見てショックを受けた。すぐに娘を屋内に連れて行き、娘の顔をぬぐってやった。妻は非常にショックを受けている。職員は、娘が庭に5分ほど一人になっていただけだというが信じられない」と憤懣を訴えている。

 また、「そのままうちに連れて帰ったがアレルギーを起こしており、家族医に見せて手当てしてもらっている。顔も唇も腫れ上がり、体中に発疹が出ている。食べ物か、アリが噛んだのかもしれない」と語っており、家族医は、「アヤトさんは痛みで精神的にまいっていた。アレルギー反応を起こしており、アンチヒスタミンとステロイド・クリームを処方した」と証言している。

 運営するNSW州家族社会福祉省の高齢障害家庭ケア(ADHC)局がこの事件を調査していると発表した。また、「ADHCは、障害者の介護と責任を重大に考えており、問題が起きた場合の報告と安全管理体制はしっかりと守っている」と発表している。この事件を報道したABC放送では、被害者の家族がADHCと話し合ったこと、また訴訟も検討していることを伝えている。(NP)

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